赤川次郎_『ふたり』

『死んだはずの姉の声が、突然、頭の中に聞こえてきた時から、千津子と実加の奇妙な共同生活が始まった…。』
幽霊?の声が聞こえると言っても頭の中だけで好意的なものなのでホラー要素はありません。基本的には少女(中学→高校)の成長の物語です。とは言え、姉の突然の死に始まり、母の精神病、親友の父の死、友人の無理心中未遂、部活でのいじめ、父の不倫。。。とさまざまな困難に襲われます。ただでさえつまらないことで悩む年頃なのに大変です。予想したよりも重い話で爽快感が少なく実はちょっと当てが外れました。千津子との別れも切な過ぎます。まぁ、これだけ苦労したら強い大人になりそうですが(笑) 
   
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飛鳥昭雄_『恐竜には毛があった!!―最新恐竜学説研究』

著者が「その道ではそこそこ有名な方」ということなので興味を覚え読んでみました。序盤は割と穏当で当時(1994年)の最新恐竜学説って感じです。しかし、第3章「恐竜土偶」あたりから雲行きが怪しくなり「恐竜は4500年前のノアの大洪水で滅んだ」というまぁまぁトンデモな結論を導き出します。この辺までは年代測定法の欠陥(?)を突いた理屈でなかなか楽しく読めました。ただし第7章「天空大激変」からはちょっとぶっ飛びすぎていて「旧弊なアカデミズム」に毒されている私には付いていくことが出来ませんでした(笑)
 

 
 
 
 
 
・目次
第1章 最初のつまずき
第2章 最新恐竜論
第3章 恐竜土偶
第4章 恐竜絶滅問題
第5章 地質学の虚構
第6章 恐竜はノアの大洪水で滅んだ
第7章 ノアの大洪水の真相
第8章 天空大激変
第9章 ヴェリコフスキー理論
第10章 第12番惑星
第11章 プレートテクトニクス
第12章 説明できない理由
第13章 最終章

*朝倉卓弥_『四日間の奇蹟』

「朝倉卓弥_四日間の奇蹟」を再読しました。
2006/2/8に読了した作品
かつて将来を嘱望されたピアニストであった「敬輔」は知的障害を持ちながら音楽に対して天才的な能力を持つ少女「千織」を伴い各地の施設を訪れ千織のピアノを披露する慰問活動を続けていた。
ある施設で敬輔たちは大変暖かい交流を得る事が出来た。 しかし…
2006年に小説版を読み、先日コミック版を読んだのですが結末の重要な部分が小説版と違うような気がしたので確認の意味もあって再読してみました。

問題の部分は実際には小説版とコミック版で同じでした。コミック版ではこの部分に至る過程が簡略化されてしまっていたので違和感を覚えたようです。コミック版は映画化に合わせて出版されたのでページ数や出版時期に制約があったということらしいですね。

初読時にA+をつけただけあって「事故をきっかけにある奇蹟が起きる」というネタを知っていても十分楽しめました。ただ今回は、あからさまに過ぎるように思える伏線、千織と敬輔の関係の不自然さ、真理子が説明調にしゃべりすぎる、音楽や医学の薀蓄がしつこい、などなど欠点のようなものも目立ちました。とは言え、初読時には全く気にならなかったのでこの辺は物語の推進力となっているのかもしれません。

クライマックスで演奏されるベートーヴェンのピアノソナタ「月光」を聞きながらこの記事を書いています。第1楽章が有名なのですが主人公の敬輔がこだわりを持つのは第3楽章ということなので第1~3楽章までのフルバージョンです。

この作品は2003年のものですが、作者はそれ以降も作品を出しています。今回私が欠点だと思ったような部分も洗練されているかもしれませんので、他の作品もあたってみようかと思います。

表紙絵はこちら(Amazon.co.jp)

朝倉卓弥/瓜生花子_『四日間の奇蹟 コミックス』

「朝倉卓弥/瓜生花子_四日間の奇蹟 コミックス」(B+)を読了しました。→読書リスト
かつて将来を嘱望されたピアニストであった「敬輔」は知的障害を持ちながら音楽に対して天才的な能力を持つ少女「千織」を伴い各地の施設を訪れ千織のピアノを披露する慰問活動を続けていた。
ある施設で敬輔たちは大変暖かい交流を得る事が出来た。 しかし…
小説版は第1回『このミス大賞』の金賞受賞作品です。私も2006年に読み個人評価「A+」を付けました。
図書館でコミック版を見かけたので時間つぶしに読んでみました。

文庫本で508ページの小説を186ページのコミックにしたので当然ですがダイジェスト版になってしまっています。一応話の筋は通っていて物語として成立してはいますがディティールが削ぎ落とされてしまいかなりあっさりしていました。絵としては敬輔、千織、真理子など各人物の雰囲気は出てるので全5巻ぐらいにしたらいい感じになったろうな、といったところです。

私の記憶違いかもしれませんが、結末の重要な部分が小説と違うような気がしています。
気になるので小説版を再読してみることにします。

・関連記事
四日間の奇蹟 小説版(私のGT4日記!)

*阿刀田高_『冷蔵庫より愛をこめて』

「阿刀田高_冷蔵庫より愛をこめて」を再読しました。
1994年以前に読了した作品。
夜中に電話が鳴る。電話からは機械のような声で日本シリーズの勝敗や競馬の予想が告げられる。
サラリーマンの岩下は不思議に思いながらそれに従い小金を手に入れる。
やがて電話は株式相場に及び…

幸福通信
ブラック・ユーモアが絶妙な“奇妙な味”の名手、阿刀田高氏の処女短編集です。
以前読んだアンソロジーに「趣味を持つ女」「ギャンブル狂夫人」がこの作品集から選ばれていて精彩を放っていたのでまとめて読み返してみました。阿刀田高氏の作品は私の面白い短編の基準ともいえる程で、星新一氏のSFテイストのショートショートと双璧をなす存在です。

初読時は全て面白く感じたと思うのですが、今回は面白く読めたのは半分くらいでした。何分古い作品ですし(昭和53年)、私も色々な作品を読んで目が肥えたでしょうし、再読なので短編の命のタネを覚えているのもあったりして(笑)、仕方がないところでしょう。それでも短編集で5割というのはなかなかの高打率だと思います。

「幸福通信」は納得の行くトリックで、珍しくハートウォーミングな結末が気に入りました。
「わたし食べる人」「エネルギーの法則」「心の旅路」にはグロテスクな描写もありました。
氏の作品にはおしゃれなイメージがあったのでちょっと意外でした。まぁ、嫌いじゃありませんが(笑)
最後の「恐怖の研究」では恐怖小説の傑作がいくつか紹介されているので、いずれ読んでみようと思います。
ただし作品のオチである「一番怖い本」は入手不可能ですが…

収録作品
・冷蔵庫より愛をこめて
・趣味を持つ女
・仮装パーティ
・海藻
・あやかしの樹
・幸福通信
・知らない旅
・わたし食べる人
・夜の真珠貝
・エネルギーの法則
・歌を忘れない鸚鵡
・真実は強し
・ギャンブル狂夫人
・心の旅路
・幽霊面会術
・ホーム・スイート・ ホーム
・最後の配達人
・恐怖の研究

関連記事
エラリー・クイーン編『日本傑作推理12選 第3集』…「趣味を持つ女」収録
北方謙三 選 『闇に香るもの』…「ギャンブル狂夫人」収録

表紙絵はこちら(Amazon.co.jp)

Risu Akizuki_『THE OL COMES OF AGE』

「Risu Akizuki_THE OL COMES OF AGE」を読了しました。→読書リスト
あなたの会社の社長も読んでいる…!?ビジネス書でも、社会学の本でもありません。
いわゆるただの4コマ漫画です。
とある会社の総務課を舞台に繰り広げられるOLたちの華麗なる?日常。

日本語版1巻のイントロダクション(Yahoo!コミック)を引用
1989年から週刊モーニングに連載されている「秋月りす_OL進化論」の1巻の英語版です。
モーニングは欠かさず読んでいた時期があったのでブッ○オフ100円コーナーで懐かしく思い手に取りました。

上にもあるように「ただの4コマ漫画」ですが、いつ読んでも面白いパワーを持っています。
原作はまだ連載されているのを知り、ちょっと驚きました。こういうのは時代を超えて人気なのですね~

簡単な英語なので私の錆びついた英語力でも大体理解できました。スラングや擬音でピンと来ないものもありますがその辺は巻末のNotesでカバーされています。それでも意味不明なやつもありました(笑)

↓の日本語版を見たらなんか違和感が… 閉じ方の関係なのでしょうか左右逆なのです。
英語版ではペンや箸を持つ手がみんな左です。もっとも比較するまで気がつきませんでしたが(^_^;)

日本語版はYahoo!コミックで立ち読み(無料)することが出来ます。
http://comics.yahoo.co.jp/kodansha/akidukir01/ohherusi01/shoshi/shoshi_0001.html


綾辻行人_『眼球綺譚』

http://a248.e.akamai.net/f/248/37952/1h/image.shopping.yahoo.co.jp/i/j/7andy_30581900
「綾辻行人_眼球綺譚」を読了しました。→読書リスト
店名は《YUI》 その店の特別料理はごく普通(!)の「ゴ○ブリ料理」から始まり…
上客限定〈ランクA〉のスペシャルメニューとは?

特別料理
綾辻行人氏は言わずと知れた本格ミステリーの大家です。
しかし私は以前「十角館の殺人」を読んだのですがいまいちピンと来ませんでした。
ホラー短編集を図書館で見かけたのでリベンジを果たすべく(笑)読んでみることにしました。

各話に由伊という名の同一人物ではない女性が登場します。全体の色調は少々グロテスクなファンタジック
ホラーといったところです。ストーリーテリングが上手く、恐怖感がじわじわやって来ます。
途中でオチが読めてしまうものもありますが、それはそれで読むものに優越感を与えてくれて快感です(笑)
マイベストは上に記した「特別料理」。この作品は非ファンタジーですが、なんといってもラストが怖い。

今度はミステリーの短編集を読んでみたいと思います。

収録作品
・再生
・呼子池の怪魚
・特別料理
・バースデー・プレゼント
・鉄橋
・人形
・眼球綺譚

阿刀田高_『ミステリーのおきて102条』

「阿刀田高_ミステリーのおきて102条」を読了しました。→読書リスト

ミステリーの禁じ手とは?知り合いの刑事が指摘した推理小説の盲点とは?推理小説家の最大の悩みや、
江戸川乱歩賞を選考する苦労とは?古今東西の書物に通じ、作家としても読み手としても第一級の著者が、
豊富な読書歴をもとに小気味良いタッチでミステリーの魅力を紹介する。
推理小説の読み手にも書き手にも薦めたい、傑作ミステリーガイド。

作者の阿刀田高氏のショートショートは非常に鮮烈で私の中では阿刀田氏か星新一氏か、という存在です。
この本では氏の小説同様の明快な語り口で思い入れのある作品を紹介したり、作家の立場からのミステリー
のノウハウを披露したりしています。

作品の紹介については対象がミステリーであるだけに作品の中核であるトリックに言及することが出来ないので苦労している様子が伺えます。私自身は本格系のミステリーには疎いのですが、既読の作品の紹介はとても楽しめました。未読の作品でも謎の導入部を上手に紹介しているので読んでみたいと思わせる力が強いです。
ただでさえ長い私の「読みたい本リスト」がまた伸びてしまいました(笑)

ミステリー作家のさまざまな苦悩も書かれています。一口にミステリーと言っても非常に多くの要素が組み合わさって出来ているということがよくわかります。私は読む一方なので書く人の気持ちはなかなかわかりませんが、
これからは少しは感じながら読んでいこうと思います。

映画の批評でちょっと気にかかったことがありました。「ミザリー」と「ジュラシック・パーク」に触れているのですが
作者は両方とも映画を観ただけなのです。私は両方とも原作を読み映画を観ましたが明らかに別物です。
小説に関するエッセイなのですから原作の方も読んでから話題にして欲しいと思います。

阿刀田高_『ユーモア毒学センス』

読書リストに「阿刀田高_高感度人間のための ユーモア毒学センス」を追加しました。

「ねえ、あなた、フグなんて食べて当たらないかしら?」「大丈夫だよ」「当てにならないわ。この間もそういいながら、赤ちゃんできたじゃない」-。こんなさりげないユーモア、ハッとする毒舌を会話のなかに盛り込めるようになれれば、あなたも高感度人間の仲間入り。それも、男と女、渚金、歴史上の人物など、あらゆる“素材"を料理できてこそ一流。まずは本書で、名人のやり方を盗んでみませんか。

裏表紙より

作者の阿刀田高氏は切れ味のいいショートショート、教養に富んだ歴史エッセイなどに定評があります。
好きな作家の一人なのですが…

このエッセイは下ネタ中心です。別に下ネタが嫌いというわけじゃありませんが…
時にその切れ味を見せることもありますが、多くは駄洒落、こじつけの類で途中で飽きてしまいました。

これは私にはちょっと期待はずれでした。好きな作家でもたまにはこんなこともありますね(笑)



目次

ボクは悦楽的ゲーム人間
ボクは私生活的露悪人間―偉人か怪人か
ボクは成り上がり的官能人間―マネーからセックスへ
ボクはトリック的話術人間―タバコ1本で
ボクは好色的漫遊人間―誰も言えなかったニッポン案内
ボクはいじわる的教養人間―ウンチクをどう使うか
ボクは全天候型笑撃人間―1月から12月まで

有川浩 『海の底』

読書リスト(4)に「有川浩  海の底」を追加しました。

横須賀に巨大なザリガニが大量に来襲した。人間を餌と認識したそいつらに対抗するのは有効な武器を持たない機動隊。また、港内で動けなくなった自衛隊の潜水艦には2名の隊員とともに13人の少年少女が閉じ込められていた。

 怪獣映画のフォーマットにのっとってリアリティを加えたといえる作品。この設定とリアルな雰囲気の展開、私のツボにはまりました。よくある怪獣映画と違うところは敵が巨大ザリガニだけでは無いことです。

 機動隊は実際に巨大ザリガニと戦いますが、本来の任務ではないので必要な装備が無く主力武器は暴動鎮圧用の盾という始末。「大人の事情」で有効な戦力となる自衛隊を出動させられないという現実があり、それと戦う人々もいます。潜水艦内では問題児「圭介」と自衛隊員の戦い(?)がメインとなっています。

 非常事態に自衛隊の出動ができないというのは実際ありそうですし、「お話」として済ます事が出来ない問題とも思えます。巨大ザリガニの来襲は無いとは思いますが(笑)。
 潜水艦内での悪役を一手に引き受けた圭介ですが、少々誇張されているものの少年の「至らなさ」をよく描いていると思います。あの年頃の私はあんなんだったかもしれません(^_^;)。

 後日譚は最後の最後が蛇足になってしまったような気がしました。一歩手前で止めて余韻を残したほうが良かったのではないでしょうか?

 作者の有川浩(ヒロ)さんは女性です。この記事を書き始めるまで男性だと思っていました。読んでいる間なんとなく違和感を覚えたのはこれが理由でしょうか?女性は心理描写が細やかですね。
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