スティーヴン・キング_『マンハッタンの奇譚クラブ』

「スティーヴン・キング_マンハッタンの奇譚クラブ」(A-)を読了しました。→読書リスト
「わたし」には通いだして10年になる一種のクラブがある。クリスマスイブ前日の今夜はマッキャロンが話をする番にあたっている。
先日記事にした「スタンド・バイ・ミー」が収録されている「恐怖の四季 秋冬編」のもう一編です。「恐怖の四季」の4つの話の中で唯一映画化されていません。

マッキャロンの語る妊婦の執念の物語と、奇譚クラブ自体の謎という二段仕立てになっています。マッキャロンの話は現象としてはなかなか凄まじく正に執念という感じです。舞台となる1935年頃に未婚の母になる女性にはこのぐらいの気概が必要だったのかもしれません。キング流の詳細な描写がそんなことを納得させてくれます。

クラブ自体と執事スティーブンズの存在も謎です。設立の過程や運営費用などは不明ですし、蔵書の「素晴らしい小説」は世間には知られていないものだったりします。「わたし」がスティーブンズに問い合わせようとしても無言の拒否が待っています。不思議な話が語られるのにはこんな不思議な場所が必要なのかもしれません。

作中では内容が語られないのですが「わたし」が夢でうなされ「土に埋めた首がまだしゃべっている!」と叫んでしまうというアンドリュースの話が気になってしょうがありません(笑)

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スティーヴン・キング_『スタンド・バイ・ミー』

「スティーヴン・キング_スタンド・バイ・ミー」(A-)を読了しました。
行方不明だった少年の事故死体が、森の奥にあるとの情報を掴んだ4人の少年たちは、「死体探し」の旅に出た。

裏表紙より
映画(未見)が有名ですし子供が主人公の冒険ものということでどんなもんだろうということで読むことにしました。超常現象が出てこないという点ではキングの作品では異色とも言えます。しかし原題は「The Body」ということで、冒険の目的が「死体探し」なので趣味の悪さは健在です。クライマックスはその死体の所有権を争うという、なかなか罰当たりなものですし…

キングの自伝的な作品ということで物語中に度々小説が登場します。本筋に深く関係しないところで小説が出てくるのには少々混乱します。この小説は若き日のキングの習作だそうですが、小生意気な主人公のキャラクターを描く役割を果たしています。

冒険の描写はいつものキング節で安定感があります。殺人犬(?)からの逃走、橋の上での列車との遭遇、早朝の鹿、ビーバーダムのヒル、クライマックスの対決、などなどのエピソードはハラハラドキドキさせます。

普通の友情ものの小説では「冒険を通して培った友情は大人になっても…」という美しいエピローグが付くのでしょうが、そこをバッサリ斬り落としているところが潔く思いました。実際、子供の時の友達って自然と疎遠になっていくものですしね~ 現実を描いた辛口の結末だと思います。

ヒットした映画の原作にしては癖のある小説という印象です。映画の方は未見なので、この癖のある小説をどう映画化したか興味があります。

この小説は「恐怖の四季 秋冬編」で読みました。もう1編の「マンハッタンの奇譚クラブ」は近々読む予定です。

スティーヴン・キング_『シャイニング』

「スティーヴン・キング_シャイニング」(A-)を読了しました。→読書リスト
真冬には閉鎖されるコロラド山中のホテル「オーバールック」。元教師のジャックは冬季管理人として妻のウェンディ、5歳の息子ダニーと共に住み込むことになった。ジャックは良き父であり良き夫であるがそのキャリアは決して順風満帆とは言えなかった。
作者のキングが映画を酷評したというので「どんなもんだ?」ってことで原作の方を読んでみることにしました。と言っても私が映画を見てからもう1年経っていますが(^_^;)

先に映像を見てしまうと、どうしてもその映像のイメージに捉われてしまいます。またストーリーも映画と比較するようになってしまって純粋に読書を楽しむことが難しくなってしまいました。正直「先に原作を読んでおけばよかった」というのが第一印象です。感想も自然と「映画との比較」っぽくなっちゃいますね~

前半ではジャックの鬱屈した精神状態がその背景を伴って浮き彫りにされます。プライドの高さ、アルコールに溺れてしまう弱さ、突然爆発してしまう癇癪、など決して他人事とは言えません。この辺の経緯は映画では省略されていましたがジャック・ニコルソンの演技でカバーしていたって感じでしょうか。

タイトルになっている「シャイニング=一種の超能力」が映画より明確に描かれています。息子のダニーのシャイニングの力がホテルの悪霊たちを惹きつけた結果、一家の弱点であるジャックが狙われたという筋書きがよくわかります。映画でははっきりしなかった「何故この一家が悲劇にあったのか?」という疑問に答えてくれました。

直接的な超常現象の描写が少ない映画に対して小説の方では終盤なかなか派手なホラーシーンが展開します。実際に動いて襲い掛かる生垣動物、刺されても死なないジャック、駆けつけてきたハローランの果たす役割、などなど読みどころ満載です。ただし、ウェンディとジャックの死闘の描写はあまりにも痛そうでちょっと不快です。まぁ、そういうのも楽しめる(私のような)変態を想定して書かれているのでしょうが…(笑)

映画版はホテルの雰囲気は良く出ていたし映像としては良いと思いますがストーリーは原作とはかなり別物になっていました。キングが映画に立腹したのもわからないでもありません。映画を見たのも1年前なのでもう1回見てみようと思います。あと、キング自身の手によるテレビシリーズのDVDも割と安いので買おうかどうかちょっと迷っています。

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スティーヴン・キング_『不眠症』

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「スティーヴン・キング_不眠症」(A-)を読了しました。→読書リスト
長年連れ添った妻を亡くした「ラルフ」は不眠症に悩まされるようになる。ラルフの住むデリーの町ではフェミニズム活動家の訪町を控え妊娠中絶の是非をめぐる住民同士の対立が激化していた。そんな中ラルフの不眠症は悪化し、妙なものが見えるようになる。
ダーク・タワーの最終巻で非常に重要な役割を果たしたパトリックが出てくるというので読んでみました。
書かれたのは1994年でダーク・タワーⅢとⅣの間にあたります。簡単に言うと不眠症の副作用で特殊な能力を得た(能力の副作用が不眠症なのかな?)ラルフとパートナーの「ロイス」がその能力で迫りくる危機に立ち向かうシルバーエイジの冒険譚という感じです。

序盤から「真紅の王」の名前が出てきたり何かとダーク・タワーとの関わりが目に付きますが、雰囲気はかなり違います。「立ち上るオーラ」「チビでハゲの医者」「世界のレベル」などなどトンデモ度はこちらの方が却って上かもしれません。ビジュアル的に映画にしたら面白いかもしれませんが老カップルが主役ってのがネックかも(笑)

敵役のDV亭主「エド」とチビでハゲの医者3号「アトロポス」ですが、二人(?)共なかなか良い味を出しています。しかし、エドは終盤の「二人を返せ」の台詞でわかるように実際には被害者ですし、アトロポスの存在もこの世界には必要不可欠なものです。特にエドは元々は良き隣人であっただけに同情します。

終盤に二つのクライマックスがあるのですが、2001年の世界的な大事件、1999年のキング自身の事故をそれぞれ思い起こさせます。偶然なのでしょうがちょっと不思議に思いました。

問題のパトリック君ですが意外と重要な役回りでした。というかこの物語の存在意義と言っても良いかもしれません。もっとも本人は全くの無力なのですが… この「不眠症」という作品自体がダーク・タワーシリーズの(長大な)外伝と位置づけられるようです。

スティーヴン・キング_『ダーク・タワーⅦ 暗黒の塔』

「スティーヴン・キング_ダーク・タワーⅦ 暗黒の塔」を読了しました。→読書リスト
囚われたスザンナを救うべくキャラハン、ジェイク、オイは吸血鬼たちの巣窟に突入する。
異なった時代にいるローランドとエディは不可思議な方法で彼らを支援する。
ダーク・タワーもついに最終巻です。非常に長い上に内容も重くやっと読み終わりました。
もっとも残り少なくなると終わるのが寂しくて先に進むのを躊躇ったりもしましたが(笑)
読み始めたのが4月下旬なので上中下を読み終わるのに実に1ヵ月半もかかりました。

物語はいよいよクライマックスですがこれまでにも増して幾多の危機がローランドたちを襲います。
ちょっとRPGのイベントっぽいのりですが、そこで登場する人物(敵も味方も)はそれぞれ魅力的ですし、危機の形態もそれぞれ個性的で飽きさせません。この辺は某有名ファンタジーとはレベルの違いを見せ付けました。
さすが巨匠という感じです。

キングがライフワークと位置づけるのにふさわしい大作で存分に楽しめました。
WARNING! 以下ネタバレを含みます。注意!!
ある程度予想はしていましたが、メインキャラクターの死はやはりショックでした。立て続けに、しかもけっこうあっさり逝っちゃうんですよね~ 私なんかはまだ3年くらいの付き合いですが、リアルタイムで読んでいる人にとっては相当な仕打ちです。まぁ、フォローはされていますが。

誕生までさんざん引っ張って来た上にストーカーのように付きまとっていたモルドレッド少年ですがそれなりの犠牲は払ったものの意外とあっさりやられちゃいました。また物語開始当初からの仇敵のウォルターはそのモルドレッドに喰われちゃうし、ラスボスのクリムゾン・キングは結局ほとんど一方的にやられちゃうし…
意外と敵役が弱いのです。意表をついた攻撃で笑かしてくれたダンデーロ老には敢闘賞を差し上げましょう。

「芸術家」ことパトリックは新キャラの癖においしいところを持っていきましたね~ こういう我儘で軟弱なキャラクターって共感できるんですよ。歩き疲れると荷車に乗って寝ちゃうところなんか最高です(笑)
パトリックが出てくるという「不眠症」も読もうと思います。

ちょっと残念に思ったのはイベント間の関連性があまり強くないことです。伏線を見逃さないようにかなり慎重に読んでいたのですが(その辺も時間がかかった理由です)、そこまでやる必要はなかったようです。もうちょっと有機的なつながりがあるともっと面白かったような気もします。もっともあまり複雑だと読者(私も含めて)が付いて行けませんが(笑)

作品中で作者(?)も言い訳していますが、結末にはちょっと肩透かしを食いました。
まぁ、ローランドはかわいそうですが、おかげで世界は救われた(のか?)し、こういうのもありだと思います。
またこういう結末ならば後々には外伝のみならず続編の可能性もあるということでちょっと期待しちゃいます。

スティーヴン・キング_『ダーク・タワーⅥ スザンナの歌』

「スティーヴン・キング_ダーク・タワーⅥ スザンナの歌」を読了しました。→読書リスト
狼はカーラの人々の協力を得てローランドのカ・テットにより犠牲を出しながらも撃退された。
勝利の余韻も覚めやらぬ中、妖魔の子を宿したスザンナ(マイア)は異世界に転移してしまう。
ローランドたちは彼女を追ってあてどもなく異世界に旅立つ。
今回はローランドのカ・テットはバラバラになりそれぞれ独自の目的を担わされた形です。
次巻を読むときに便利なようにあらすじをごく簡単にまとめました。

以下 ネタバレ注意

・スザンナ(マイア)は1999年のニューヨークへ。
スザンナとマイアは対立しながらも奇妙な共生関係を築く。結局マイアの意思(揺れているが)によってクリムゾン・キングの手に落ちるが、スザンナはいくつかの手がかりをカ・テットのために残した。
そして赤ん坊、モルドレッドを産み落とす。

・ローランドとエディは1977年のメイン州へ。
マイアの裏切り(?)により襲撃を受けるがそれをジョン・カラムの援助で切り抜ける。カルヴィン・タワーに会い、
薔薇の土地を買い取る。作者スティーヴン・キングに会い、ダーク・タワーを思い出させ執筆を促す。
そして今度は〈予期せぬ訪問者〉の謎を追う。

・ジェイクとキャラハンとオイは1999年のニューヨークへ。
この2人と1匹は今回は出番が少なく、たいした動きは無い。
しかし次巻では、スザンナとモルドレッドそして作者スティーヴン・キングを救う使命があると予想される。



なんとスザンナが宿していたのはローランドの子でした。この荒業には驚きました。その子 モルドレッドは物語にとって最も重要な要素になりそうです。ローランドは何かというと「父」の重要性を口にしますから、この世界では父子の関係というのは大きな意味を持っているのでしょう。クリムゾン・キングは対ローランドの切り札として用意したようですが、諸刃の剣にもなりそうな感じです。

もう一つの焦点が作者であるスティーヴン・キングの生死です。この時点(1999年)で作者が死んでしまってはダーク・タワーは完結できないのだから(現実の)事故の現場で彼を助けなければなりません。小説自体が物語の小道具として使われているので、現実と虚構の区別が非常に曖昧です。ローランドたちとスティーヴン・キングが会うときに周囲にある「木々が形作る顔と影」とは読者の事のようで私たちも物語に巻き込まれた気分になります。
こういう手法は「リング」や「MM9」でも使われていますが、それらより1枚上手のようです。別に演出ではなくて(現実の)スティーヴン・キング自身も(そして私たちも)ダークタワーの登場人物にすぎないのかもしれませんが…

ジョン・カラム、トルーディ、マッツ、ハリガン牧師、などのちょっと個性のある脇役たちはキングのほかの作品の登場人物なのでしょうか?キングの作品はけっこう読んでいますが登場人物の名前までは覚えていません(^_^;)
クージョ(犬)やクリスティーン(車)は出てこないんでしょうか?(笑)

いよいよ残り1巻(とはいえ3分冊ですが)になりました。話も収束しそうな感じでスピード感が増してきました。
一気に行きたい気もしますがもったいないので(笑)ローテーションを守ることにします。

スティーヴン・キング_『ダーク・タワーⅤ カーラの狼』

「スティーヴン・キング_ダーク・タワーⅤ カーラの狼」を読了しました。→読書リスト

カーラの町に23年に一度訪れる災厄。「狼」が来襲し双子の片割れを奪い去る。
奪われた双子は後に返されるが、それは愚かな巨人「ルーント」へと変わり果てている。
そんなカーラにローランドのカ・テットが通りかかる。

全体的に物語が少々錯綜しています。メインは「カーラの狼」ですが「キャラハン」の話「ニューヨークの薔薇」
をめぐる話、「マイア」(=スザンナ)の話が絡み合うように展開します。
これらは今のところは相互の関係はあまりないので頭の中で整理しながら読まないと混乱します。

キャラハンが元々登場した「呪われた町」は1999年に読みました。かなり面白かったのですが中身はすっかり忘れてしまいました。この機会に読み返そうかともおもいますが、これも結構長いんですよね~(笑) 呪われた町に登場する吸血鬼とこの物語の黒幕(クリムゾン・キング?)の関係はどうなっているのかも気になります。

カーラの町に裏切り者がいたりするという、まぁ半ば定番の展開の後、最終決戦になります。
正直、ハイテク装備の狼が意外と弱いのには拍子抜けしました。ローランドたちの強さは当然としても、
カーラの女性たちの勇ましさが印象的です。皿投げ女は格好良いですね♪

そんな戦いの中、たった3行で描写されるデニーの死はショッキングでした。
元の世界でも友達が少なそうだった(?)ジェイクにとっては本当に悲しいことでしょう。
この年齢でこの経験は辛いでしょうがガンスリンガーであるからには耐えなければならないのでしょう。

とりあえずカーラの町にとってはめでたしめでたしですが、狼はもう2度と来ないのでしょうか?
根拠地の「雷鳴」を叩かないと安心できない気がします。
ローランドたちがこれからダーク・タワーに向かう途中で立ちふさがる障害の一つなのでしょうか?

マイアの話、薔薇の話は持ち越しとなりました。両方ともこの巻でかなりの紙面を割いていましたが、それが全部布石だとはキングも読者泣かせの手法をとります。現時点では完結しているので読もうと思えばいつでも読めますが出版を待って読むと考えるとかなりヤキモキしますよね~(笑)

さすがにキングがライフワークと考えるだけあって読み応えがあります。最後まで読んでから再読したとしても楽しむ余地は十分にありそうです。最初読んだときには気づかなかった小ネタとかも発見できそうです。
ただし、かなり長いので再読するにはそれなりの決意が必要ですが(笑)


スティーヴン・キング_『第四解剖室』

「スティーヴン・キング_第四解剖室」を読了しました。→読書リスト

私はまだ死んでいない、死んでいないはずだ。ゴルフをしていて倒れた、ただそれだけだ。それだけなのに。だが、目の前にある解剖用の大鋏は腹へと迫ってくる…切り刻まれる恐怖を描いた標題作のほか、ホラーからサスペンス、ファンタジー、O・ヘンリ賞を受賞した文芸作品まで、幅広いジャンルにわたって天才ぶりを発揮してきた巨人キングの十年を総決算する全米百万部の傑作短篇集。

裏表紙より

ダーク・タワーシリーズの外伝「エルーリアの修道女」がこの短編集に収録されているとダーク・タワーⅣの解説に書いてあったので読んでみることにしました。

・「第四解剖室」
生きながら解剖されそうになる男の恐怖。
・「黒いスーツの男」
釣りに行った少年は川辺で黒いスーツの男に出会う。
・「愛するものはぜんぶさらいとられる」
自殺を決意したセールスマンが最後の宿のモーテルにチェックインする。
・「ジャック・ハミルトンの死」
名高いギャング「ジョン・デリンジャー」の仲間のジャックは逃走中に被弾してしまう。
・「死の部屋にて」
反政府運動に関わっている新聞記者のフレッチャーは防音完備の尋問室に連れ込まれた。
・「エルーリアの修道女―“暗黒の塔”外伝」
黒衣の魔術師を追うローランドは無人の町エルーリアでスローミュータントに襲われる。

短編ではアイデアの切れ味が作品の良し悪しを左右することが多いと思います。
この短編集はその点から見ると傑作というほどの作品は含まれていません。

しかし、それを補って余りあるのが独特の描写力です。綿密な描写の積み重ねにより登場人物の恐怖感、焦燥感などがあぶり出されます。小道具として使われるアメリカ文化も生き生きと目に浮かびます。描写に時間をかけてしまうので物語のうねりを作るには短編では物足りないというのが正直な感想です。そんな中ではダイナミックな展開の「死の部屋にて」は楽しめました。

やはりメインは「エルーリアの修道女」です。時期的には本編が始まる前で、中間世界が変転した様を具体的に描いたホラー色の濃い悲しい物語です。作者は「ダーク・タワー本編を読んでいなくても楽しめる」と言っていますが、ローランドのキャラクターが全面に押し出されているのでそれはちょっと無理なような気がします。少しですがスーザン、カスバート、アランのことも語られます。これは120ページの中編なのでダーク・タワーの世界にひととき浸ることが出来ました。

スティーヴン・キング_『ダーク・タワーⅣ 魔道師と水晶球』

読書リストに「スティーヴン・キング_ダーク・タワーⅣ 魔道師と水晶球」を追加しました。

ブレインとのなぞなぞ合戦を辛うじて乗り切ったローランドたちはトピーカに到着した。
ローランドは自分が若かった頃の話、スーザンにまつわる昔話を始めた。
それは14歳のローランドが2人の仲間と共にハンブリーの地を訪れることから始まる。

今回は今までも断片的には出てきたローランドの過去の話が中心です。
タイトルになっているダーク・タワー探索のきっかけともいえる出来事です。
過去のローランドたちの物語、世界観も魅力的です。これだけで十分ひとつの物語として成立しそうです。
彼らのその後も気になります。カスバート、アラン、シーミーを待ち受ける運命とは?

しかし、スーザンの運命は衝撃的でした。魅力的なキャラクターを惜しげもなく…
キングの作品には非情な結末を迎えるものもありますが、ここでこう来るとは予想していませんでした。
何回も危機的状況を乗り切っていたのでちょっと油断していました。
非情という点では敵役のジョナスにも言えます。徹底的な悪でありながら魅力的なジョナスもあっさり…
ジョナス=コーラルのカップルのおぞましさも好きだったのですが…

描写の残酷さも際立ちます。スーザンによるローランドたちの救出、ローランドたちによる一方的な殺戮、ローランドが魔女に騙されて…etc. その他にも主人公側が悪意のない人物を殺害する場面が多くあります。
残酷でありながら、なんだかんだ正統なエンターテインメントであるキングの作品の中でも異色に感じます。
私は好きですが(笑)

下巻の後半では「オズの魔法使い」がキーになっているのですが、残念ながら良く知らないので???でした。
勉強しなくては(笑)

楽しいのですがとにかく長い、ちょっと疲れました(笑)

スティーヴン・キング_『ダーク・タワーⅢ 荒地』

読書リストに「スティーヴン・キング_ダーク・タワーⅢ 荒地」を追加しました。

「向こうの世界」でローランド、エディ、スザンナの3人はダーク・タワー探索の旅を続けていた。
しかし、ローランドの心は分裂した2つの過去に翻弄され狂気に侵されつつあった。

一方、ローランドの行動で死を免れた「こちらの世界」のジェイクもまた2つの現実を受け入れられずにいた。

スティーヴン・キングがライフワークと位置づけるダークタワー(全Ⅶ部)の第Ⅲ部。
ジェイクが仲間に加わる上巻と、その後の展開の発端となる下巻という構成です。

基本的にはファンタジーです。2つの世界をつなぐ鍵、向こうの世界の住民、そして謎の魔道師(黒幕?)などなど独特の世界観です。しかしタイム・パラドックスの仕掛けや「向こうの世界」の失われた超技術はSFの香りがしますし、「お屋敷」の様子はまさにお得意のホラーという感じです。てんこ盛りですごくお得です(笑)

「なぞなぞ対決」はどうなるのか? その先に待ち構えるものは? あの男は何を仕掛けてくるのか? などなど気にかかることばかりです。一気にⅣに行きたい気持ちもありますが後の楽しみに取っておきます。
この状態で次が出るのを待たされた読者がキングに脅迫めいたことをした気持ちもわかりますねぇ(笑)

栗本薫氏の解説もライバル心剥き出しで楽しめました。確かにダーク・タワー100巻は読みたくはありませんが、グイン・サーガ200巻もいかがなものでしょう?(笑)
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