佐藤克文_『巨大翼竜は飛べたのか-スケールと行動の動物学』

タイトルに惹かれて手にしたのですが、実際の内容はデータロガーを用いた動物の生態調査の話でした。「パンダの死体はよみがえる 」同様に本物の学者が書いた本なので生真面目で硬いのですが、読み進めるうちにその世界がわかってきます。フィールドワークの実務はとても大変そうなのですが、その分著者の情熱が伝わります。対象となる動物はペンギン、マンボウ、鳥など色々ですが、得られたデータから一定の法則を導き出すのが面白いところです。巨大翼竜についての考察はちょっと蛇足な気も…(^^;)
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坂口安吾_『不連続殺人事件』

「坂口安吾_不連続殺人事件」(B+)を読了しました。→読書リスト
昭和22年の夏、人里離れた歌川家に曰くありげな人々が集まる。作家、画家、学者、弁護士、女優……。錯綜する人間模様。彼ら彼女らの不倫乱行に彩られた異様な雰囲気の中、殺人事件が続発した。人間心理を鋭く抉る名探偵巨瀬博士は、果たしてこの奇怪な事件を解決できるのか。

裏表紙より
名前は聞いたことがある純文学作家の坂口安吾氏の作品です。酒競輪さんのコメントで存在を知り読んでみることにしました。まぁ、作者の代表作が何でどんな作風か、そんなことも全く知らないのですが(笑)

本作はバリバリの本格ミステリーで、「懸賞付き犯人当て」付です。占星術殺人事件でも読者に向けた挑戦状がありましたが、これでは連載中に実際に犯人当ての懸賞金を出しています。ところどころで作者からの攻撃的なコメントがはさまれるのも読みどころです(笑)

人物描写とかが表面的に過ぎないのは本格の常です。しかも登場人物が解説によると「男は一人残らず好色漢、女は娼婦的な人物ばかり」で品行方正な(笑)私としては眉を顰めるばかりです。被害妄想気味の医者、ポーカーフェイスの看護婦はなかなか面白いと思いましたが… 不連続という題名に反して殺人事件が次々と起こります。孤島もののような脱出不可能なギミックはないので「こんな状況になったら普通は出ていくよな」というのが正直なところです。

事件が多い、登場人物が多い、人間関係が複雑、などの理由でかなり込み入っています。綿密に検証すれば犯人を特定することができるでしょうが (実際当てた人もいますし) 私にはそんな気合はありませんでした。本格好きの人には挑みがいがあるかもしれません。最後に明かされる謎解きも実際よくわからなかったんですが、キモとなる「心理の足跡」は納得のいくものでした。

表紙絵はこちら (Amazon.co.jp)

佐藤勝彦監修_『みるみる理解できる相対性理論』

読書リストに「佐藤勝彦監修_みるみる理解できる相対性理論」(ニュートン別冊)を追加しました。

誕生から100年をむかえてなお人々を魅了してやまない、時間と空間の理論「相対性理論」。
特殊相対性理論と一般相対性理論を、それぞれ誰もが納得できるようわかりやすく解説する。

「MARC」データベースより

私はかつて何回かアインシュタインの「相対性理論」を理解しようとしてはその度に挫折してきました。
目で見ることが出来る「ニュートン力学」は理解しているのですが想像するのが難しい相対性理論は入り口でつまずいていたのでした。

先日酒競輪さんの記事にそのことをコメントしたらこの本を紹介していただきました。早速、読んでみました。

全編、非常に美麗なイラストで解説されています。イラストが主で解説は従という感じです。
(私の時代のw)高校で習う物理学の知識があれば読み進めることが出来るような内容です。
以下、自分なりに理解した内容を大雑把にまとめてみます。私の誤解により記述に誤りがあるかもしれません。
その点はご了承ください。また誤りをご指摘いただけるとありがたく思います。



相対性理論は重力を取り扱わない【特殊相対性理論】と重力を取り扱う【一般相対性理論】に分かれます。

【特殊相対性理論】は大雑把には
「光速度不変の原理」と「相対性原理」に基づいて
光速に近い速さで進む物体を外から観測するとその物体は
①時間の流れが遅くなる ②長さが縮む ③質量が増大する
ということのようです。

「観測者が移動していようと、光源が移動しようと光の速度は常に観測者に対して一定である」という「光速度不変の原理」を理解するのが困難でしたが、「宇宙は、そのように出来ている」と無理やり納得しました。
三平方の定理を使った解説で①時間の流れが遅くなる ②長さが縮む ことをなんとか理解できました。

【一般相対性理論】は大雑把には
「特殊相対性理論」と「等価原理」に基づいて
重力によって
①光が曲がる ②空間が曲がる ③時間の流れが遅くなる
ということのようです。

「加速度運動する場所から見た場合に現れる慣性力は本質的に重力と区別がつかない」という「等価原理」は直感的に理解できるのでこちらの方がわかりやすく感じました。ただ「3次元空間の曲がりは、3次元空間の住人である人間には、頭の中で正確にイメージするのは不可能」だそうで空間が曲がるという概念についてはわからなくても仕方ないようです。我々には重力で曲がるように見える光は実はちゃんとまっすぐ進んでいるようです。



近年になく頭をフル回転させました(笑) 普段の生活には全く役に立ちませんが頭の体操になりました。
なにぶん取り扱う光の速度が非日常的なもの(1秒に地球を7周半ですから)なので想像力を働かせないと付いていけません。1回読んだだけでは理解できず2回読みましたがまだ良くわかっていない部分が残っていて、騙されている感じもしています。少し時間を置いてからもう1度読んでみようと思います。

ご紹介くださった酒競輪さん、ありがとうございました。



2008/5/3 2回目読了しました。

最相葉月_『青いバラ』

読書リスト(4)に「最相葉月_青いバラ」を追加しました。

青いバラは、「不可能の花」といわれつづけてきた幻の花だが、遺伝子組み換えによって、実現間近だという―。科学の進歩と人間の夢が結び合う、青いバラの創造。「青いバラ」の夢に憑かれた園芸家鈴木省三の熱情、バラの花市場の研究開発、科学者たちの論争…。バイオテクノロジー最新事情を網羅しつつ、人間の欲望と科学の未来が結びあうバラ作りの夢を追う渾身のノンフィクション。

ミスター・ローズと言われた園芸家鈴木省三の半生を軸にして、バラを中心に花卉園芸全般、そして「青いバラ」について非常に多岐にわたって記述しています。

ただし私は日頃花にあまり縁の無い生活をしていますし、遺伝についての知識も「メンデルの法則」をうろ覚えの程度、バイオテクノロジーのことなどチンプンカンプンなので…ほとんど上っ面を読み飛ばしたにとどまってしまいました。花に関心のある人には興味深く読めそうな内容でした。

こんな私でも、この本を読んでからは道端に咲く花に少し関心を持つようになりました。


いわゆる「青いバラ」は実存しているようです。きれいかどうかはリンク先の画像をご覧ください。

・2002年に河本バラ園が一般的な交配による品種改良で開発した、最も青に近いとされる「ブルーヘヴン」
http://k-kabegami.sakura.ne.jp/barazukan5/24.html
・2004年にサントリーフラワーズがバイオテクノロジーを使って開発した青いバラ
http://www.suntory.co.jp/company/research/blue-rose/
・オランダで染色される青いバラ
http://store.yahoo.co.jp/e-green/c0c4a4a4a511.html

佐伯泰英 『捨雛の川』

読書リスト(4)に「佐伯泰英  捨雛の川 - 居眠り磐音江戸双紙」を追加しました。

大晦日を間近に控えた深川六間堀。金兵衛長屋に住む坂崎磐音は身過ぎ世過ぎに追われていた。そんな磐音が、品川柳次郎らと訪れた地蔵蕎麦で、南町奉行所定廻り同心木下一郎太に請われ、賭場の手入れに関わることに…。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、著者渾身の書き下ろし痛快長編時代小説第十八弾。

「BOOK」データベースより

私が「伊賀忍法帖」を読んでいるのを見た先輩のSさんがご自身は読み終えたこの本をくださいましたので、
ありがたく頂戴いたしました。本をいただけるとはとてもありがたい事です。帰宅後、アマゾンでざっと調べると
昨年1年で18冊出版という量産作家とわかり少々不安を感じながら読み始めたのですが…。

凄腕の浪人「坂崎磐音(いわね)」の日常を比較的淡々と描いていきます。主人公は穏やかな性格で好感が持てます。とはいえチャンバラ小説なので命を賭けた切り合いが要所で挿入され緊張感が持続します。基本的には勧善懲悪の物語でひねりはないのですが安心して読めます。武家、商家、花街などなど江戸時代の風俗描写も馴染みが無いので興味深く思いました(忍法帖も一応時代劇ですがw)。磐音の仲間の脇役の面々もなかなか魅力的です。ただ、この作品はシリーズ18作目なので各人物に改めて説明があるわけも無くその背景がわからないのが少々残念でした。まぁ、1作目から読めばいいのですが(笑)。全五章で構成され、そのひとつひとつがまとまりのある話となっています。この中では異種試合となった第四章「履と剣」がミステリー色もあり楽しめました。

なかなか面白いです。大人向け時代劇版ライトノベルって感じでしょうか?
気軽に読める時代小説として私のラインアップに入れることにします。

Sさん、ありがとうございました。

坂井三郎 『大空のサムライ』

読書リスト(3)に「大空のサムライ  坂井三郎」を追加しました。


太平洋戦争中の日本海軍の戦闘機パイロット坂井三郎氏の自伝。坂井三郎氏は撃墜数64機とされる日本で
一番有名なエースパイロット。戦闘機パイロットになる過程から戦争初期の活躍、戦争末期の苦闘までの記録。

軍人の立場から戦争を描いたものなので戦争美化という傾向は否めません。時折、戦争の悲惨さを訴える記述はありますが全般的には自分の腕自慢や精神論が主体になっている感があります。

とはいえ、メカ好きな私から見ると豊富な飛行機などの写真、専門家の視点からの解説などは非常に興味深いものがあります。坂井氏が最初に飛行機の操縦を習うくだりもあるのですが、この部分をもっと詳しく知りたいと思いました。


プラモデル「翼コレクション 零戦52型」の記事はこちら (私のGT4日記!)
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