山田風太郎_『忍法忠臣蔵』

「山田風太郎_忍法忠臣蔵」を読了しました。→読書リスト
時は元禄14年。世間では赤穂浪士の吉良上野介への仇討ちが噂されていた。
江戸城に仕える伊賀者「無明綱太郎」は将軍綱吉に召し上げられた自分の許婚を惨殺し逐電する。
上杉家の国家老千坂兵部はそんな綱太郎を匿い、奇妙なことを依頼する。
山田風太郎の忍法帖の第7作、1962年の作品。

忠臣蔵の影に忍者の暗躍があった。という設定です。
赤穂vs吉良ではなく、吉良側(上杉家)の「赤穂浪士を実力で殲滅しようとする派閥」と「謀略で切り崩そうとする派閥」の争いという構図になっています。殲滅派に能登忍者の男衆、切り崩し派に能登忍者のくノ一が配されお得意の忍術合戦が繰り広げられます。くノ一の方の監視役が主人公の無明綱太郎です。綱太郎は「忠義と女が大嫌い」な伊賀忍者で、非情な殺し屋です。主人公なのに登場人物の中で一番人間味がない不思議な存在です。
驚愕のトンデモ忍法は健在ですが、読むほうも慣れてきて大抵のことでは驚かなくなりました(笑)

赤穂の藩士が次々とくノ一に切り崩されていくのですが、忠臣蔵の物語を本にしろドラマにしろちゃんと見たことが無いのでいまひとつピンと来ませんでした。たしなみとして忠臣蔵くらいは押さえておいた方が良いですね(笑)
話の大筋は変えることが出来ないので最終的には落ち着くところに落ち着いています。この点がこのテーマを扱うときの限界のようです。

以下は本作で登場する忍法の一覧です。くノ一の忍法は名前からして色っぽいです(笑)

「能登組 くノ一」
・忍法おんな灯心
・忍法歓喜天
・忍法浮舟
・忍法魔羅蝋
「能登組 男衆」
・忍法血虫陣
・忍法一ノ胴
・忍法偕老同穴
・忍法南北杖
・忍法金剛陣
「無明綱太郎」
・忍法蜘蛛の糸巻
・忍法鵞毛落とし


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山田風太郎_『室町少年倶楽部』

「山田風太郎_室町少年倶楽部」を読了しました。→読書リスト

16歳にして室町幕府の管領の細川勝元は10歳の未来の将軍 三春丸(後の足利義政)を京都市中に連れ出し
「町人や百姓の暮らしを楽にしてやりたい」とその胸中を語る。それに答え三春丸もいい将軍になると誓う。
美しい侍女お今、勇猛な好漢山名宗全が彼らを優しく見守る。彼らの未来は明るいように思えるが…

タイトルや上に記した出だしを見ると、勝元が三春丸を助け苦労しながら町人や百姓のための政治に
邁進する爽やかな物語、を想像したりします。しかし、そこは風太郎です。

私は歴史には疎いのでこの本を読むまでは殆ど知らなかったのですが(日本史の授業中は良く寝てたし)
義政は文化面の功績はあるものの室町幕府衰退の主犯格ですし、勝元と宗全は応仁の乱で争う間柄、お今は
義政のそばに蔓延る奸臣と呼ばれるようになる、と碌なもんじゃないのです(^_^;)

基本的には史実どおりに進むのでしょう(未確認w)策謀の乱れ飛ぶ争いが描かれます。少年時代の勝元、
義政の様子が微笑ましいだけにその落差が激しく感じられます。1989年作のいわば晩年の作品で忍法帖の
ように私が好きなトンデモ忍法は出てきませんが人間の暗黒面を描く筆致が却って渋く光る気がしました。

もう一編収録されている「室町の大予言」は表題作の前日譚に当たる義政の父 義教の物語です。
史実基づいた義教を将軍に選んだ方法が驚愕です。


この作品は「蛇鏡」同様、電子書籍の「eBookJapan」で読みました。
「トランクルーム利用者1万人突破記念」とのことでまたまた贈られたeBook図書券で購入しました。
eBookJapan → http://www.ebookjapan.jp/cpyahoo/

登録しておくだけで無料で読めるのはちょっとありがたいです。
「立ち読み」だと普段でも無料で読めるので4コマ漫画なんかをたまに読んだりもしています。

山田風太郎_『くノ一忍法帖』

読書リストに「山田風太郎_くノ一忍法帖」を追加しました。

大坂夏の陣で豊臣秀頼を亡き者にし、家康はその天下を磐石にしたと思われた。
しかし、真田幸村の策によって五人のくノ一が秀頼の子供を身篭っていることを知る。
しかも家康の孫で秀頼の正室、千姫がそのくノ一を匿っている。
家康の密命により伊賀忍者が身重のくノ一を狙い、壮絶な忍法対決が始まる。

山田風太郎の忍法帖の第4作、1961年の作品。

それぞれ五人ずつの伊賀忍者と真田くノ一の忍法対決が中心です。
で、この忍法がいつもの通りに奇想天外なのですが、それ以上に「壮絶なる品の無さ」が特徴なのです。
伊賀忍法帖の記事で「エロとグロが満載」と書きましたが、まだまだ甘かったようです(^_^;)

私は最初の章のタイトルになっている「忍法 くノ一化粧」の時点で思わずのけぞりました。
しかし後半に出てくる「七斗捨兵衛」の忍法は更に強烈で「勘弁してください」という感じです(^_^;)

タイトルはくノ一忍法帖ですが肝心のくノ一はいまひとつパッとしません。彼女らの忍法もそれなりに奇抜ですが伊賀忍者の忍法の品の無さの前には霞んでしまいます。それよりも途中からくノ一らに加勢する怪力無双の(これまた身重な)大女「丸橋(長宗我部盛親の側室)」の個性が強烈です。

物語は大阪城落城から家康死去までを虚々々実織り交ぜて描きます。
私は日本史には疎いのですが、歴史の知識があったらもっと楽しめる、又は憤慨できるかもしれません。

各章のタイトルはその章に登場する忍法の名前になっています。
それを見れば忍法の内容を想像(妄想)できるかもしれませんので下記しておきます。

忍法「くノ一化粧」
忍法「天女貝」
忍法「やどかり」
忍法「筒涸らし」
忍法「百代ぐるま」
忍法「鞘おとこ」
忍法「人鳥黐」
忍法「羅生門」
忍法「夢幻泡影」

尚、これからこの本を読んで気分を害される方がいらっしゃっても私は責任を負いかねますのでご了承を(笑)




この本で1995/4/23読了の「阿刀田高_Aサイズ殺人事件」からつけている読書記録が丁度1000になりました。
メモリアルにしてはちょっと品が無い作品ですがなかなか面白かったので良しとします(笑)

山田風太郎/せがわまさき_『~バジリスク~甲賀忍法帖~』

読書リストに「山田風太郎/せがわまさき_~バジリスク~甲賀忍法帖~」を追加しました。

奇想天外痛快無比
山田風太郎の代表作『甲賀忍法帖』を待望の漫画化、まったく新しく生まれ変わった、それが『バジリスク』!

amazon.co.jpの紹介文より

上にもあるように以前読んだ「甲賀忍法帖」の漫画化作品です。
なかなか評判が良いようなので読んでみました。

ストーリーは原作にほぼ忠実ですし、雰囲気もよく出ています。
多少のアレンジはされているようですがマイナスには働いていません。

戦闘シーンの迫力は漫画ならではです。ビジュアル化された忍術を見るだけでも読む価値があります。
小説でも迫力がありましたが、やはり具体的に絵になったものには敵いませんね~

原作にはなかったギャグ的な要素もあります。とはいっても、しぐさとか表情とかが中心です。
ただ、キャラの外見では雨夜陣五郎と蓑念鬼はギャグ担当のようです。雨夜は顔でか過ぎだし、蓑念鬼は
鼻毛伸びすぎです(笑)_やりすぎてはいないので原作の雰囲気は壊していません。

陽炎の妖艶さの表現がいまひとつだったのが残念です。期待していたのですが…
ま、それなりのシーンはありましたが(笑)

ストーリーや結末を知っているにもかかわらず十分楽しめました。
原作の良さが反映された良い漫画化だと思います。

改めて、お気に入りの忍者の発表です。
甲賀なら如月左衛門、伊賀なら薬師寺天膳です。両方とも狡い忍術ですね~(笑)

山田風太郎_『柳生忍法帖』

読書リストに「山田風太郎_柳生忍法帖」を追加しました。

時は江戸時代初期、寛永19年(1642年)。
暗君会津藩主「加藤明成」の配下「会津七本槍」は鎌倉東慶寺に匿われていた女たち23人を惨殺する。
辛うじて生き残った7人は復讐を誓う。そして彼女たちの師範役となったのは剣豪「柳生十兵衛」であった。

山田風太郎の忍法帖 『魔界転生』、『柳生十兵衛死す』と並ぶ十兵衛三部作の第一作。

柳生十兵衛、滅茶強いんです。はっきり言って会津七本槍が束になっても敵いそうもありません。
しかし、十兵衛側には大きなハンデがあります。それは「十兵衛は直接手を下してはいけない」ということ。
つまり生き残った7人の女たちが会津七本槍を仕留めなければならないのです。

対する会津七本槍は武士ではありますが、風太郎お得意の妖術のような技を使う面々が揃っています。
三匹の猛犬を使う具足丈之新、黒髪で編まれた網を使う香炉銀四郎、隻腕の剣士 漆戸虹七郎、などなど。
こいつらは正に勧善懲悪の「悪」そのものです。しかし、君主(これが大バカ)にはとても忠実なのです。
正に武士の鑑(笑)
柳生十兵衛を敵に回してしまったのは運が悪かったですね~
余計なことをしなければ悪逆非道な治世をもう少し続けられたのに(笑)

十兵衛の策略、七本槍の非道、一本ずつ折られていく槍、というのはある程度予想できました。
舞台は江戸屋敷から国許の会津に移り、怪人物の登場により展開が変わっていきます。

虚々実々の駆け引き、逆転に次ぐ逆転、驚愕の事実の露見、と読みどころ満載です。
また登場人物ではやはり柳生十兵衛の怪男児ぶりに魅かれます。イメージは「千葉ちゃん」ですが(笑)
あっ、会津七本槍の面々もいじらしくて好きですよ(爆)

面白かった~♪ しかし僅差で「甲賀忍法帖」に軍配を上げておきます。

山田風太郎_『飛騨忍法帖』

読書リスト(4)に「山田風太郎_飛騨忍法帖」を追加しました。

幕末、江戸で御前試合が開かれた。飛騨の山奥からやってきた乗鞍丞馬は恐るべき妖術で並み居る
剣士たちを圧倒する。しかし旗本 宗像主水正と対戦した丞馬は片腕を切り落とされてしまう。
敗れた丞馬は主水正の家来になるが…

山田風太郎の忍法帖の第3作、1960年の作品。

主人公の乗鞍丞馬のキャラクターが良いのです。一見「飛騨の田舎侍で純朴」というイメージに思えますが、
自分の邪魔をするものは兄弟子だろうが自分に惚れている女だろうが平然と殺すという冷酷さの持ち主です。
その忠誠心はただ一人のために発揮され物語は激動の幕末を舞台に復讐譚として展開します。
公平に見たら酷いやつですが(笑)その愚純なまでの一念には胸を打たれます。

歴史上の人物(勝安海舟、坂本龍馬、新撰組の面々)、事件を背景に丞馬のトンデモ忍法が駆使されます。
ただ残念なのは私がこの時代の事を良く知らないことです。知っている方ならより楽しめることでしょう。
(あるいは幻滅するかもw)

これまでに読んだ3作とは趣向の違う話でした。忍法帖は長編だけで27作もあるので今後も楽しみです。

山田風太郎 『伊賀忍法帖』

読書リスト(3)に「山田風太郎 伊賀忍法帖」を追加しました。

戦国の魔王と言われる「松永弾正」は絶世の美姫「右京太夫」への邪恋を成就させようと根来忍法僧「七天狗」を暗躍させていた。一方、若き伊賀忍者「笛吹城太郎」は恋女房「篝火」を伴って故郷を目指していた。

山田風太郎の忍法帖の第11弾。1964年の作品。
執筆順に「甲賀忍法帖」「江戸忍法帖」と読んできたのですが、ギャオで真田博之、渡辺典子 主演の映画が公開されているので映画鑑賞に先立って原作を読むことにしました。

基本的なストーリーは根来忍法僧vs笛吹城太郎の戦いです。奇抜な忍法を繰り出す醜悪な忍法僧たちに対して美青年忍者の城太郎が知恵と体術で対抗していきます。しかし、この物語で大きなウェイトを占めるのは篝火、
右京太夫などの女性たちです。彼女たちの存在に忍法僧も城太郎も霞むほどです。もっとも篝火は早々に・・・
なのですが。

正直、エロとグロが満載です。「甲賀忍法帖」「江戸忍法帖」と違い女性に薦めるのは躊躇します。従って原作に忠実な映画化は不可能と思われます。逆にどう変更したのか興味のもてるところでもあります。

終盤の展開はやや唐突に感じました。そして不気味なラスト。城太郎はいったい???

これから映画を観ます。


山田風太郎 『江戸忍法帖』

読書リスト(3)に「山田風太郎 江戸忍法帖」を追加しました。

柳沢出羽守は甲賀七忍を呼び寄せて命じた。「4代将軍家綱の落胤・葵悠太郎を抹殺せよ。」
奇想天外な忍術を駆使する忍者に近習の剣客は次々と斃される。悠太郎の命運は!?

甲賀忍法帖に続く山田風太郎の忍法帖の第2弾。1959年の作品。

甲賀忍法帖は忍者同士の忍術合戦でしたが今作では「忍者軍団」対「美青年剣士」という構図です。
悠太郎には心を寄せる娘たちも絡んできて状況は二転三転します。そして、「あの方」も登場。

やはり見所は奇想天外な忍術の数々です。皮膚を鋼鉄の硬さに変え刀を受け付けない「肉鎧」、空中を浮遊する「ながれ星」etc.etc. しかし、今作では甲賀七忍=悪、悠太郎=正義という勧善懲悪のような展開なので忍者たちに対して好感を持てなくなっています。前作では忍者が斃される度に湧起こった哀悼の気持ちは今作では残念ながら…。

山田風太郎 『甲賀忍法帖』

読書リスト(3)に「甲賀忍法帖  山田風太郎」を追加しました。

将軍家の跡継ぎを決めるのに苦慮した家康は奇抜な方法を思いついた。それは甲賀と伊賀、対立する忍者
軍団から精鋭10名を選び出し代理として戦わせるというものだった。秘術の限りを尽くした死闘が幕を開ける。

山田風太郎氏の忍法小説の記念すべき第一作。時代小説はほとんど読んだことが無いのですが
「これは面白い」という勧めにしたがって半信半疑で読んでみました。

事実上、ファンタジーに近い内容です。登場する忍者の駆使する秘術というのが常識を覆したほとんど魔法と
言っても良いものばかり。刀をもってしても切れない縄を自由自在に操る美少年「夜叉丸」、蜘蛛のような醜い
容貌で口から吐く痰が武器という「風待将監」etc.etc.

戦いの中で一人、また一人と個性的な忍者が倒されていきます。私は忍者のリストを作って倒された忍者の名前に(作中同様)線を引きながら読んでいきました。最後はお約束どおり頭領格の対決となるのですが…。

1958年発表の作品です。実に50年近い月日がたっているのですが、とても面白かったです。
山田風太郎氏の忍法小説はまだまだたくさんあるようです。新ジャンル開拓は大きな喜びです。

戦士たちに合掌    ●は私のお気に入り
「甲賀組十人衆」「伊賀組十人衆」
甲賀弾正お幻
甲賀弦之介
地虫十兵衛夜叉丸
風待将監小豆蝋斉
霞刑部●薬師寺天膳
鵜殿丈助●雨夜陣五郎
●如月左衛門筑摩小四郎
室賀豹馬蓑念鬼
●陽炎蛍火
お胡夷朱絹

せがわまさき氏による漫画『~バジリスク~甲賀忍法帖~』はこちら
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