島袋光年_『トリコ 6 "10連"!!』

ノーベル賞で有名になったオートファジーが扱われている(藤中さんのコメント)とのことで読んでみました。事前に調べてグルメ漫画だと思っていたのですが…実態はバトル漫画でした。異形のものが異世界で戦うというフォーマットのいかにも男の子が好きそうなストーリーです(オジサンニハツイテイケナイw)。オートファジーは主人公がピンチを脱出するメカニズムとして登場しますが、その解釈があっているのかどうかはよくわかりませんでした(^_^;)

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篠田節子_『弥勒』

『永岡はパスキム王国の宗教美術品を革命の手から救おうと単身密入国するが…』
主人公はインド・中国の緩衝地にある架空の王国の革命に巻き込まれます。革命指導者の掲げる理想は自然を基盤とする平等ですが、あまりに苛烈な革命は崩壊していきます。王国による収奪の解消を目指した革命は失敗しますが、それをさらに収奪しているのは先進国であって… 私たちの生活が彼らの犠牲の上に成り立っていると痛切に感じました。ホラーかミステリーだと思って気軽に読み始めたのですが思いのほか重い話でした(^^;)

島田荘司_『占星術殺人事件』

http://a248.e.akamai.net/f/248/37952/1h/image.shopping.yahoo.co.jp/i/j/7andy_04726649
「島田荘司_占星術殺人事件」(A-)を読了しました。→読書リスト
怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。その内容は、6人の処女から肉体各部をとり、
星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。
画家は密室で殺された。そして1カ月後には、6人の若い女性が行方不明!
奇想天外の構想、トリックで名探偵御手洗潔をデビューさせた、衝撃的傑作。

裏表紙より
私はいわゆる「本格推理」にはあまり良い印象を持っていないのですが、いつもお世話になっている藤中さんがマイベスト小説に挙げているので「これがダメだったらもう本格はあきらめよう」という気持ちで読むことにしました。

のっけから画家の狂気に彩られた遺書が示され、かなりおぞましいスタートです。事件は画家自身が密室で殺されることから始まり、画家の長女が自宅で物盗りに殺され、画家の娘4人を含む6人の女性が行方不明となりその遺体が画家の遺書通りの場所で切断された状態で発見されます。発生から40年を経て解決を見ないこの事件の謎に探偵役の御手洗潔とワトスン役の石岡が挑戦します。

事件の内容や登場人物の関係がかなり複雑で慎重に読まないとすぐ混乱してしまいます。石岡がいろいろ調査を進めていくのですが却って謎が深まるばかりです。作者から「完璧以上の材料は提供したから犯人とトリックを解いてみろ」という読者への挑戦状が提示されますが、私は「さっぱりわからん」状態でそんな挑戦を受ける気合は残っていませんでした(笑)

御手洗が解説するトリックは非常に衝撃的ですが、単純で明快ですらあります。まさしく「謎が氷解する」といった感じです。動機がちょっと弱かったり、いくつか疑問に思う点はありますが、大方納得のいく謎解きです。
ただ、冒頭の遺書が○○の××というのはちょっと反則な気はしましたが…

全体を通してかなり楽しめました。このシリーズは私の読書ローテーションに加えることにします。

「金田一少年の事件簿」にこの作品のトリックをパクッたやつがあるそうなんで試しに読んでみようと思います。
あと「六枚のとんかつ」という作品もなんか関係があるらしいので、これもちょいチェックします。

椎名誠_『わしらは怪しい探険隊』

「椎名誠_わしらは怪しい探険隊」を読了しました。→読書リスト
離島でのきつい天幕生活に挑む会「東日本何でもケトばす会」の、結成当時の行状記。椎名隊長ほか隊員たちの個性が光る、前代未聞の面白さ!
酒と食糧の大移動、テント張り、かまど設置、ゴミの穴ほり、蚊の大襲来等々、夜明けとともに雑用と自然との戦いが始まり、美しいタ焼け空が疲れきった一日の終わりを告げる―。
海と冒険と仲間、椎名文学の三大要素がたのしめる「怪しい探険隊」ものの、記念すべき第一書。

裏表紙より
著者の椎名誠氏はどちらかというとエッセイや私小説で有名なようですが、私はこれまでSFなどのフィクションしか読んだことがありませんでした。で、初めて読むにあたって有名な「あやしい探険隊」シリーズの第一弾を選びました。

この本では三重県の神島での顛末を中心に著者の気の向くままに「東ケト会」の行状を書き散らしています。
基本的には離れ島へ行って焚き火を囲み、酒を飲んで大騒ぎするだけのことなのですが、独特の文章まわし、
言葉遊びで大変面白く読めます。椎名氏の小説には個性的というかアブナイ人物が多く登場するのですが、
この本に登場する実在の人物もなかなかアブナイ感じです。尋常でない蚊の大群に襲われたり(小説「蚊」
原点か?)、海で潮に流されそうになったり命懸けの目にもあっています。

私はあまりアウトドア生活には縁がありませんがなかなか楽しそうです。
もっとも、かなりメチャクチャなのでついて行く自信はありませんが(^_^;)
炊事班長沢野ひとし氏によるイラストも良い味を出しています。

実相寺昭雄_『ウルトラマンの東京』

「実相寺昭雄_ウルトラマンの東京」を読了しました。→読書リスト

映画でいちばんむずかしいのはロケである。
限られた時間の中でもっとも効果的な撮影をするために、
特撮とはちがったとんでもない苦労もする。
ウルトラマンのロケ地を歩きながら、怪獣に夢を託した男たちの熱い想いと、
大変貌をとげようとしていた当時の東京を再現する。

裏表紙より

前に読んだ2つはウルトラマンやウルトラセブンの製作現場の裏話を明かす内容で大変興味深く読めました。
これはちょっと趣が違い、当時(昭和40年代前半)監督を務めた著者がロケ現場を再訪するという内容です。
わずかに残った当時の面影を見つけて懐かしみ、全く様変わりしたのを見て悲しみに浸ります。
円谷プロが世田谷の砧にあるためロケ現場はその周辺が多く、東京は怪獣の被害に遭いやすいのでした(笑)

私がテレビシリーズを見たのは子供の頃ですから興味の対象は専らウルトラマンや怪獣です(今でもですが)。
そのため著者が思い入れを持っているロケ現場の情景などに対する番組内での記憶は曖昧です。
随所に馴染みのある地名は出て来ますが私が知っているのは当時とは既に大きく変化したあとの場合が多く、
あまりピンと来ませんでした。それでもガヴァドンが現れたのは多摩川の川原だったり、メトロン星人の舞台と
なったアパートは溝の口だったり、「おぉっ」と思うポイントもいくつかありました。


椎名誠_『中国の鳥人』

読書リストに「椎名誠_中国の鳥人」を追加しました。

商用で中国奥地を訪ねた男が、ふと立ち寄った少数民族の村。そこでは人が空を飛んでいた。
幻を見ているのだと思いつつも、いつしか現実との境目がわからなくなり…(「中国の鳥人」)。
タクシー運転手の饒舌にうんざりして、思わず口走った小さな嘘が招いた悲劇とは(「たどん」)。
妄想が産みだす恐怖と笑いに満ちた不思議な世界へ読者を誘う幻想譚八編。
著者の短編小説リストを収録。

裏表紙より

椎名誠氏は私小説や旅ルポなどでよく知られています。しかし私は「シーナワールド」と呼ばれるSF、超常小説が好きです。特に「アド・バード」 「水域」 「武装島田倉庫」のSF三部作は独特の世界観でとても楽しめました。

この短編集に収められているのはいずれも不条理な小説です。物語の体裁をとっているのは「中国の鳥人」
「蚊無し川」の2編だけで他の6編はほとんど意味不明です。まぁ、その意味不明さが味なのでしょう(笑)
この短編集から「中国の鳥人」 「ちくわ」 「たどん」の3編が映画化されているようです。
「中国の鳥人」はともかく「ちくわ」 「たどん」の映画ってどんなのか興味があります。

【収録作品】
・中国の鳥人
・月下の騎馬清掃団
・思うがままの人生
・ちくわ
・蚊無し川
・たどん
・鯨女
・スキヤキ

実相寺昭雄_『ウルトラマンに夢見た男たち』

読書リストに「実相寺昭雄_ウルトラマンに夢見た男たち」を追加しました。

ウルトラマンと戦う怪獣たち。
その縫いぐるみはどのように作られるのだろう。
怪獣の声、出現のしかた、戦い方は?
魅力的な怪獣を生みだして「ウルトラ」番組を支えたスタッフの職人魂。
少年の夢を持ちつづける男たちの特撮現場裏話。

裏表紙より

ウルトラマンの舞台裏を取り上げた「ウルトラマンのできるまで」に続く第2弾です。

「ウルトラマンのできるまで」は監督を務めた著者の経験を手引書的にまとめたものでしたが、この本ではそれを支えた多くの職人的なスタッフにスポットが当てられています。著者が当時のスタッフに話を聞くというスタイルになっています。

なかでも怪獣の縫いぐるみに入る俳優の話は興味深いものがありました。怪獣の中に入ると「小さな黒い箱に閉じ込められた感じ」というのはなんとなく納得です。一旦中に入ってしまうと外部との意思疎通が困難になるので撮影中に危険な目にあうことも多いようです。

そのほか番組中のBGMの作曲者、怪獣をデザインする人、それらしく見える撮影法を試行錯誤する人、などなど番組を裏から支えた人々の話が載っています。

見てはいませんが(笑)現在でもウルトラマンの新作は製作されています。こういう先達の積み重ねの上に作り上げられた貴重な文化です。これからも夢を作り続けてもらいたいと思います。

ちくまプリマーブックスには実相寺氏のウルトラマン関係の著作がもう1つあります。そちらも読みます。

篠田節子_『天窓のある家』

読書リストに「篠田節子_天窓のある家」を追加しました。

こんなはずではなかった。なぜ、こんなふうになってしまったのか。気づかぬうちに日常に巣食う焦燥。
人生に疲れた女の心をかき乱す隣人。幸せを願いながら、いつのまにか何を求めていたのかよく分から
なくなってしまった―。なぜ、あの人はしあわせそうにしているの?ちいさな衝動がおさえられなくなる
…心もからだも不安定な中年世代の欲望と葛藤をあぶりだす、リアルに怖い9編。

「BOOK」データベースより

作者の篠田節子氏は直木賞受賞作「女たちのジハード」では若いキャリアウーマンをコミカルかつリアルに
描きました。そういう人を描く作品も面白いのですが、私は彼女の真骨頂はホラーだと思います。

さて、この短編集ですが、最初の2編は完全に前者の作風です。しかし、3編目で「あれっ?」と思い、
表題作の4編目でホラーパワー炸裂! 5編目、6編目で荒れ狂います(笑) 7編目、8編目で落ち着き
を見せ、最後の9編目はちょっとほっとさせてくれます。

ひとつ挙げるとすればやはり表題作の「天窓のある家」でしょうか?
『友人の香の夫は浮気をしているらしい。秀子はそんな香のことが心配でたまらなかった…』
暴発してしまう狂気は恐ろしいのですが「そんなもの自分にはない」とは言い切ることはできません。

作者の異なった魅力を楽しめるお得な短編集です。「女たちのジハード」しか読んだことのない方、
ホラーしか読んだことがない方、どちらにもオススメです。

・収録作品
友と豆腐とベーゼンドルファー
パラサイト
手帳
天窓のある家
世紀頭の病
誕生
果実
野犬狩り
密会

実相寺昭雄_『ウルトラマンのできるまで』

読書リストに「実相寺昭雄_ウルトラマンのできるまで」を追加しました。

テレビの生んだ最大のヒーロー、ウルトラマンはどのように誕生したのか。日本中の子どもたちに夢を与えつづけた「特撮」のタネとしかけ、その楽しさ、苦労など、撮影現場にとっておきの話を、イラスト、絵コンテを満載して紹介。

裏表紙より

テレビのヒーローものは数多くありますが、私にとってはウルトラマン、ウルトラセブンは他のヒーローたちからは一歩抜きん出た存在です。本放送には間に合いませんでしたが再放送を何回も見ました。

昨年惜しくも亡くなった実相寺昭雄氏(合わせて10作品監督)が当時の撮影の様子を解説しています。
現場の風景や絵コンテが詳しいイラストで紹介され大変わかりやすくなっています。
全編にウルトラマンシリーズに対する実相寺氏の愛情が感じられます。

ウルトラマンの造形の試行錯誤、特撮の大変さ、特撮と本編(俳優の演じる部分)との融合、
などなど、この本で初めて知ることが多く大変楽しめました。

特に何気なく見ていたシーンがこんなに手間をかけて作られていたとは新鮮な驚きがありました。
しかも映画と違い週1本の放映ペースで限られた予算で作らなければならないので本当に大変なことです。
このシリーズのクオリティの高さは驚愕に値します。

ウルトラマン、ウルトラセブンが好きな方にはおすすめの一冊です。ぜひぜひ~



ちくまプリマーブックスには実相寺氏のウルトラマン関係の著作があと2つあります。そちらも読むつもりです。

重松清_『ビタミンF』

読書リスト(4)に「重松清_ビタミンF」を追加しました。

38歳、いつの間にか「昔」や「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった。40歳、中学一年生の息子としっくりいかない。妻の入院中、どう過ごせばいいのやら。36歳、「離婚してもいいけど」、妻が最近そう呟いた…。
一時の輝きを失い、人生の“中途半端”な時期に差し掛かった人たちに贈るエール。「また、がんばってみるか――」、心の内で、こっそり呟きたくなる短編七編。直木賞受賞作。

裏表紙より

“お父さん”視点で家族の物語を切なく描く短編集です。私自身は父親になったことが無いのですが、
父親たちの心情が手に取るように伝わってきました。気に入ったのは次の2編です。

「セッちゃん」
優等生の娘が「セッちゃん」という転校生の話をし始めたのは2学期になってすぐのころだった。
セッちゃんはクラスのみんなから嫌われているらしい…

「母帰る」
拓己は37歳、東京に出て18年、2人の娘に恵まれている。一方、拓己の父は故郷の町で一人暮らしをしていた。
母は10年前に父を捨てて出て行ったのであった。その父が言い出したこととは…

収録作品
・ゲンコツ
・はずれくじ
・パンドラ
・セッちゃん
・なぎさホテルにて
・かさぶたまぶた
・母帰る
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