R・クレイス_『モンキーズ・レインコート』

『ネコと同居し、ヨガと中国拳法を操る、タフでクールなヴェトナム帰りの私立探偵エルヴィス・コールとマッチョな相棒ジョー・パイク。「軽い仕事」のはずだった失踪父子の捜索は映画界につきもののコカインがらみでシンジケートとの対決へ 裏表紙より』
拳銃の所持も許されているアメリカの探偵もので日本のそれとはかなり異なる雰囲気です。警察と協力して事件にあたるのかと思いましたが、依頼者救出からは銃頼りの力技でまるでB級アクション映画です。予想外の展開で「アメリカのハードボイルドってこういうものなのかな?」が正直な感想です(^^;)
スポンサーサイト



R・ブラッドベリ_『火星年代記』

SFの古典として有名な作品です。勝手にハードSFだと思っていたのですが、実際にはシュールな寓話でした。火星は未知の領域の象徴として扱われています。火星という舞台とSF的仕掛けで展開されるのは(当時の)現代文明に対する批判・風刺です。

序盤の探検隊と火星人のファーストコンタクトのあたりでは精神面を重視する火星人の地球人に対する対応がなかなか面白いです。滅び行く火星人たちの運命はあの有名作を思い出します。火星を席巻した地球人たちは地球で行ってきたことを繰り返しますが、この辺は現代文明への批評・風刺の色が強い感じです。地球で核戦争が勃発したことで地球人はほとんど地球に帰ってしまい火星は過疎化してしまうのですが、ここがちょっと不自然です。私ならそんな地球には間違えても帰りません。過疎化した火星を描写する部分は非常にシュールでほとんど意味不明な章もあります。終盤、序盤の人物が再登場したり、新たな一歩を踏み出す人々がいたり全体としての物語のつながりが出てきます。この辺は人類の未来を信じる(信じたい)作者の気持ちが表れているように感じました。

T・ブロック_『超音速漂流』

「ネルソン・デミル トマス・ブロック_超音速漂流」(A)を読了しました。→読書リスト
誤射されたミサイルがジャンボ旅客機を直撃した。機長は死亡し、乗客が酸欠により凶暴化するなか、無傷の生存者たちは必死で生還をめざすが、地上では事故の陰蔽のために生存者もろとも機を墜とそうとする計画が進行していた。82年に出版され、今や古典となった航空サスペンスの名作が、全面的加筆を施され、決定版として登場。

裏表紙より
死亡した乗員に代わって乗り合わせた素人パイロットが着陸を試みるというのは航空パニックものとしては良くあるパターンです。そこに「乗客が酸欠により凶暴化する」というゾンビ(?)ものの要素を加えたのが珍しいところです。酸欠の影響で人が狂暴化するっていうのはちょっと眉唾ですが、そこは作者が実際の旅客機パイロットだということで信じることにしましょう。

機内の状況よりも緊迫感を高めるのは海上と地上の状況です。海上の空母ではミサイル発射テストの責任者が、地上の管制室では航空会社の重役がそれぞれ事故への対応に苦慮します。が、それは上のあらすじにもあるように機を墜とそうとする方向なのです。海軍は極秘(で違法な)テストの隠蔽のため、航空会社はゾンビ化した乗客への補償が莫大になるため、というそれぞれの事情があります。生存者を見捨てるというのは確かに人でなしの所業なのですが。。。無傷の生存者の少なさ、ゾンビ化した乗客の多さ、着陸に失敗した時の地上への被害のリスク、などなどを考慮すると堕ちた方が良いと思えないこともありませんし。。。

こういうテクノスリラー系の小説では登場するメカの描写も重要です。舞台となる架空の大型超音速旅客機ストラトン797の描写は作者がパイロットということで実にリアルです。特に序盤はストラトン797、F-18戦闘機、セスナ337スカイマスターなどの機材に関する記述にいちいち引っかかってなかなか先に読み進めることができませんでした(笑)

ところで「超音速漂流」というタイトルは実は嘘です。遭難するジェット旅客機は確かに超音速機なのですが漂流する時の速度は時速600km位なのです。邦題の付け方に問題ありですが、原題の「MAY DAY」も旅客機からは発信されていないので、いい勝負ってとこでしょうか?(笑) またあらすじで「ジャンボ旅客機」とありますがジャンボと言えば普通はボーイング747のことなので超音速機をこう呼ぶのには少々違和感を覚えます。

この話で飛行機が墜落してしまっては仕方がないので、色々な障害になんとか対応していったり偶然難を逃れたりするさまが矢継ぎ早に描かれます。この辺のスリルとサスペンスは「さすが名作!」って感じです。加筆前のオリジナルもちょっとチェックしてみようと思います。

表紙絵はこちら(Amazon.co.jp)

S・シン_『暗号解読』

「サイモン・シン_暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」(A)を読了しました。→読書リスト
暗号技術は解読技術とのせめぎ合いを通じて高度に発展してきた。その歴史的経緯と未来の動向をひも解く読み物。カエサル暗号,ヴィジュネル暗号,暗号機械エニグマ,公開カギ暗号,量子暗号などを追う。

Amazon.co.jpの説明文を引用
一昨年のマイベスト本「フェルマーの最終定理」と同じサイモン・シンの著作なので期待していました。内容も暗号ということでプチ軍事ヲタク心もくすぐられます。本書は必ずしも暗号の解説書ではないので「フェルマーの最終定理」と同様に暗号をめぐる歴史的な事実が並行して語られます。歴史の流れに暗号が果たした役割や、今の私たちの生活にも暗号が深く関わることが如実に伝わって来ます。

最初にとりあげられるのは古典的な暗号です。アルファベットを別のアルファベットに置き換えるだけの「単アルファベット換字式暗号」やそれの発展形とも言える「ヴィジュネル暗号」などが解説されます。単アルファベット換字式暗号については文字や単語の出現頻度から解読できるのは私も知っていました。しかし解読不能とも言われたヴィジュネル暗号さえも解いてしまう暗号解読者の知恵には感心しました。と言っても解読方法はとてつもなく根気がいる作業を含むのでおいそれと真似ができるものではありませんが(笑)  とりあえずこの辺までは具体例を理解することができます。

次にとりあげられるのは暗号機による暗号です。これは基本的には単アルファベット換字式暗号なのですが1文字ごとに換字方法が変わっていきます。この作業は人間が手作業でやるのは無理なのでガチャガチャ動く文字通りの機械(=暗号機)で作成、復号するのです。スパイ小説などでも出てくるエニグマ(第二次大戦時のドイツの暗号機)の暗号に挑戦する連合国の担当者の足跡が語られます。この辺になると暗号の具体的な内容にはついていけなくなります。しかしエニグマの解読にポーランドの暗号解読者が大きな役割を果たしたことや、貢献した人物が機密保持のために栄誉を与えられなかったなど、歴史的な事実は大変興味深いものがあります。特にポーランドの貢献については「ドイツの見事な電撃戦の相手役」という情けないイメージしかなかったので改める必要を感じました。

失われた古代文字の解読も技術的には暗号解読と似ているということでとりあげられています。語学教材の名前として馴染みのある(笑)ロゼッタストーンの解読の様子が語られます。解読にはエニグマ解読に関わった人も多く出てくるのが面白いところです。

現在の私たちのネット生活を支える暗号技術にも言及しています。以前ニュートンで読んだことのある「公開鍵暗号」が解説されています。クレジットカード番号などの個人情報を安全に伝える方法がなんとなくわかりました。非常に大きな数の素因数分解にはコンピュータでもとっても時間がかかる、ということを利用した暗号システムなのですが、その辺が直感的にはいまいち納得できません(^_^;)

これからの暗号解読に使える超高性能の量子コンピューター、絶対に解けない量子暗号にも触れられています。が、全くチンプンカンプンでした。「めまいを覚えずに量子力学について考えることのできる人は、量子力学がわかっていないのだ」そうですが「私もそうなんだな~」と妙に納得しました(笑)

「フェルマーの最終定理」同様、適度に知的好奇心を満たしてくれる内容で大変楽しめました。
早くも今年のベスト本の有力候補です。

【おまけ】
簡単な暗号を作ってみました。
解けた方は内緒コメントで。まぁ、何も出ませんが(笑)
問題=vlprq vlqjk wkh frgh errn

表紙絵はこちら

R・R・マキャモン_『ナイト・ボート』

「ロバート・R. マキャモン_ナイト・ボート」(A-)を読了しました。→読書リスト
カリブ海コキーナ島でホテルを経営するムーアはダイビングで潜った海底に奇妙な筒状のものを発見する。掘り出そうとしているうちに戦争中の不発爆雷が爆発しムーアは命からがら脱出する。浮上した海上には巨大な船が浮かんでいた。さっきの筒は潜水艦の潜望鏡だったのだ。
タイトルからなんとなく手漕ぎボートをイメージしていたのですがドイツ軍潜水艦のUボートの事でした。
プチ軍事マニアとしては大好物の素材です(笑)

40年も前に沈んだ潜水艦がちょっとしたきっかけで浮かび上がるっていうのがまず妖しいです。引き続いて起こる事故、そして殺人事件と不吉な空気が漂います。舞台がカリブ海ということもあってブードゥー教絡みもあり、予想通り「やつら」が登場し、おぞましいけど、まぁ定番の展開となります。

と思いつつ読んでいると、やつらはとんでもないことを企てていることがわかります。そう言えば妙にそんな記述があったし、知性のあるゾンビというのは珍しく、その後の展開に期待を持たせます。「魚雷は? 88ミリ砲は? もしかして米軍と?」などなど。

訳ありの主人公、島の警察署長、潜水艦を調査しに来た女性学者、原住民の族長、などがやつらの意図を阻止しようと決死の行動を起こします。が、決着は割合にあっさりしたものでした。いや、アクションシーンはそれなりに迫力があるのですが、それまでの展開からして私の期待が過剰に過ぎたのかもしれません(笑) 主要人物ややつらが結局どうなったがもはっきりとは描かれないのも少々もやもやした感じです。

やつらについては唯一の生存者の存在は描かれますが、基本的には悪者扱いってのは少々納得がいかないところです。確かに島民の恨みを買ってしまっているのですが、それは戦争ですし、一番の被害者はやつらであるとも思えます。その辺をもっと描くとか、(米軍に一杯食わすとか)格好いい見せ場があっても良いような気がしました。プチ軍事マニアの習性としてどうしてもドイツびいきになってしまいます(^_^;)

表紙絵はこちら(Amazon.co.jp)

R・マシスン_『運命のボタン』

「リチャード・マシスン_運命のボタン」(A-)を読了しました。→読書リスト

藤中さんが見た映画「運命のボタン」の設定が気になったので原作小説を読んでみました。「ショートショート~長めの短編」の「奇妙な話~ホラー」の13編が収録されています。

各編とも映画を見ているように場面が思い浮かびます。バラエティに富んだ秀作ぞろいですが、オチの切れ味はあまり鋭くはない感じもします。短い作品より描写力が生きる長めの作品の方が面白く感じました。

・「運命のボタン」
ある夫婦の元に押しボタンのついた箱が届く。「押すと5万ドルが手に入るが、あなたがたの知らない人間が1人死ぬ」という。

映画では100万ドルの賞金が小説だと5万ドルなのでこの点ではずいぶんスケールダウンです。私なら100万ドルだったら即押すけど5万ドルじゃ悩むかも(笑) 小説のオチはちょっと反則気味なのでショートショートの結末としてはありだけど、これをそのまま映画にしたらクレームになるかも(笑)

・「戸口に立つ少女」
・「小犬」
この2編は古典的ともいえる恐怖譚です。解説によると「暗い内容なので、あまり表に出したくなかった」とのことです。その通り、じわじわと恐怖が迫ってくるのが見事です。

・「四角い墓場」
おんぼろロボットボクサーが試合直前にアクシデントに見舞われる。オーナーの男がとった対応は…

ちょっとコミカルな内容で本書の中では一番好きです。最近「あしたのジョー」のアニメを見ているのでボクシングという素材が琴線に触れたのかもしれません(笑)

・「二万フィートの悪夢」
飛行機恐怖症の男が旅客機の窓の外に見たものは…

どこかで見たことのある話だと思ったら映画「トワイライトゾーン/超次元の体験」の第4話の原作でした。マシスンの作品はみな映像的で、実際映像化されたものも非常に多いのです。この作品が初映像化されたTwilight Zoneの一編をこちらで見ることができます。

収録作品
・運命のボタン
・針
・魔女戦線
・わらが匂う
・チャンネル・ゼロ
・戸口に立つ少女
・ショック・ウェーヴ
・帰還
・死の部屋のなかで
・小犬
・四角い墓場
・声なき叫び
・二万フィートの悪夢

表紙絵はこちら(Amazon.co.jp)

R・A・ハインライン_『時の門』

「ロバート・A・ハインライン_時の門」(A-)を読了しました。→読書リスト
密室状態でだれも入れないはずの部屋に突然現われた男は、ウィルスンに思いもかけない提案をした … 時の門

裏表紙より
先日再読した「タイムマシンのつくり方」の中で「『時の門』を開く」は読み飛ばしました。
そこで分析対象の「時の門」を表題作として含むハインライン傑作集(4)を読んでみました。

『時の門』 1941年
 何重もの構造を持つ時間冒険ものです。広瀬正氏の一連の時間冒険ものをさらに複雑にした感じです。そのスピーディーでスリリングな展開はめまいを起こす程です。また現在の人類文化を抹殺し時の門を設置したハイ・ワンズ(高等種族)の謎も大変興味深いものがあります。これが1941年の作品とは … さすが大御所ハインラインと感心しました。
 原作を一読したうえで、広瀬氏の分析「『時の門』を開く」を読みました。ストーリー上のポイントを抜き出し2つの図を用いて分析しています。しかし、ぱっと見ただけでは図の読み方さえわかりません。原作と分析をじっくりと読み比べることでなんとか図の読み方や原作の緻密な構造を理解することができました。広瀬氏はいくつかの疑問点を指摘しているのですが、それについては解ったような騙されているような… とにかく広瀬氏の時間に対する熱意と執念は激しく感じました。

『地球の脅威』 1957年
仰々しいタイトルですが実は近未来の月を舞台にしたラブコメです。重厚なSFのイメージのハインラインですがこの作品では別の面を見せています。月世界でのスポーツ「フライ」は楽しそうです。

『金魚鉢』 1942年
先日読んだ「神は沈黙せず」と似たテーマです。2つの巨大な水柱が文字通り金魚鉢(というより水槽)を連想させます。最後の本物の金魚鉢との対比が印象的です。

『夢魔計画』 1953年
米ソの冷戦という時代背景を象徴する好戦的なSFです。アメリカの都市の防衛のために超能力者が活躍するのですが、最後には…  やっぱり反戦を主張する小説なのかもしれません。

ハインラインの作品は長編の「宇宙の戦士」「夏への扉」しか読んだことがなかったのですが、両方ともいまひとつピンと来ませんでした。あまりにも重い「宇宙の戦士」、少々軽薄な「夏への扉」と私のストライクゾーンを少し外れていたようです。この作品集もその意味では当たり外れはありましたが表題作を始め全体的には楽しめました。いままで少々敬遠気味だったハインラインですが、短編中心に読んでいこうかと思います。

収録作品
・大当りの年
・時の門
・コロンブスは馬鹿だ
・地球の脅威
・血清空輸作戦
・金魚鉢
・夢魔計画

表紙絵はこちら(Amazon.co.jp)

S・シン_『フェルマーの最終定理』

「サイモン・シン_フェルマーの最終定理」(A)を読了しました。→読書リスト




フェルマーの最終定理については聞いたことはあったのですがどういうものかは全く知りませんでした。TBSラジオの「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」のポッドキャストでお薦め本として紹介されていたので読んでみました。

ポッドキャストはこちら⇒http://www.tbsradio.jp/utamaru/2010/03/_featsdp.html




n=2の場合はお馴染みの三平方の定理(ピタゴラスの定理)です。このときの整数解はx=3  y=4 z=5など無数に存在し、これをピタゴラス数と呼びます。360年もの間数学者を悩ませた定理(証明する前は予想)とはどんなものだろうかと思っていましたが、それ自体は非常にシンプルで却って驚きました。たったこれだけのことでそんなに難しい話になるとは素人には想像できません。

数学の事を題材にした本ですが決して難しくはありません。本文中に数式はほとんど出てきませんし、取り扱っている内容は本当はとっても高度なのでしょうが、平易な文章で雰囲気が伝わるように書かれています。補遺では簡単な数学の説明がされていますが、こちらは中学~高校位の数学の知識があれば楽しく読める程度のものです。

ピタゴラスを代表する古典数学の発展、17世紀に生きた仕掛け人フェルマーの人となり、ワイルズ以前の挑戦者の苦闘の様子、など数学の歴史が生き生きと描写されます。一般に数学者というとお堅いイメージがありますが意外と人間臭い面もあります。その中でも、ピタゴラスが無理数の存在を主張する弟子を死刑にしたこと、ヴォルフスケールが失恋の痛手で自殺しようとしたがフェルマーの最終定理のおかげで思いとどまったこと、女性が差別されていた時代に女性数学者のソフィー・ジェルマンが男と偽って学校に潜り込んだこと、などが印象に残りました。

ワイルズの証明を理解できる人は数学者の中でもごくわずかだそうで、到底一般人に理解できるものではないようです。そのため証明そのものの記述は極々概念的なものにとどまっています。もっとも詳しく書かれてもわかりませんが(笑) この証明の中で重要な役割を果たしたのが「谷山・志村予想」です。その内容は「すべての楕円方程式はモジュラーである」という意味不明な(笑)ものですが、この予想の一部を証明することによって最終的にフェルマーの最終定理が証明されました。この予想はその名の通り谷山豊と志村五郎が提出したもので、日本人の貢献をちょっとうれしく思いました。本書を読むとこの他にも数多くの数学者の業績の上にワイルズの証明が成立したことがわかります。

20世紀の数学テクニックを駆使してやっと解決したこの問題をフェルマー自身が本当に証明していたかは大いに疑問です。フェルマーが残した定理はこの最終定理を含めて48あったそうですがその中には後に否定されたものもあるということですし(笑)

文中には多くの数学者の名前が出てきます。その中には公式や単位などで聞き覚えがある名前がたくさんありました。気になったので調べてみました。

・パスカル…圧力の単位、気圧を表すヘクトパスカルが気象情報でお馴染み。
・ユークリッド…幾何学のユークリッド空間、xyzの3軸で座標を表すやつ。
・オイラー…オイラーの等式、虚数絡みで出てきたやつ。
・ベルヌーイ…ベルヌーイの定理、流体力学で使う。
・ラグランジュ…ラグランジュ点、宇宙ステーション設置に適する宇宙で引力が釣り合う場所?
・フォン・ノイマン…現在のコンピュータの基本構造の考案者。
・チューリング…チューリングテスト、ある機械が知的かどうか判定するテスト。人工知能絡みで最近聞く。
・ガウス…磁力密度の単位、ピップエレキバンのやつ。
・フーリエ…フーリエの法則、熱伝導方程式。

ピタゴラス数をxとyが25以下の範囲で調べてみました。方法は自然数の二乗和の平方根をエクセルに計算させてその中から自然数を目視で探すという極めて原始的なものです。もしかしたら見逃しがあるかも(笑)




大変面白かったです。適度に知的好奇心を満たしてくれますし、さほど難解ではありません。
サイモン・シン氏の著作はこれからも読もうと思います。

表紙絵はこちら

R・R・マキャモン_『マイン』




「ロバート・R・マキャモン_マイン」(A)を読了しました。→読書リスト
かつて過激派組織に属し警察にも恐れられたメアリー。今はハンバーガーショップの店員に身をやつし逃亡生活を送っている。ある日手にとったローリングストーン誌に載った広告が危ういバランスを保っていた彼女の心に止めを刺す…
いつもお世話になっている藤中さんがマイベスト小説に挙げているので満を持して読み始めました。

簡単に言うと生後間もない赤ん坊を怪女メアリーが攫い、それを取り返すべく母親のローラが追跡するという女と女の戦いの話です。

なんと言ってもヒロイン(?)のメアリーの個性が強烈です。狂気、兵士の冷徹、歪んだ愛情が物語を支配します。女ランボーとも言えるその戦闘力は並みの警官などでは到底太刀打ちできません。対するローラの方は護身用にと夫が用意した拳銃にも嫌悪感を持つ普通の女性です。あまりにハンデがある2人の対決に「どうなるのか?」という感じです。

2人のヒロインの背景をじわじわと描く前半も面白いのですが面白さが加速するのは後半のスリルに満ちた追跡劇です。人目を避けて互いに手が出せない状況、グッド・ボーイズの活躍、雪中の恐竜庭園での対決(想像すると結構シュール)、そして最後の雷鳴の館、などなど緩急があって全く飽きさせません。ひどい怪我をしても極寒のなかでも立ち上がり、逃げ続け追い続ける2人の様は凄まじく、ホラーっぽい雰囲気さえ漂います。

頼れる相棒のディーディーを筆頭にして、執念の男ヴァン・ダイヴァー、火元のエドワード、など脇役陣もいい感じです。強い女性陣に対してローラの夫のダグのように少々情けない男性陣という感じがしますが、やはり止めはロード・ジャックです。予想はつきましたがもうちょっと何とかして欲しかったかも(笑)

スティーヴン・キングの作品と同じようにアメリカ文化が小道具として前面に出ています。メアリーたちが青春時代を過ごした頃の音楽をYoutubeで検索して聞いたり、彼女らが追跡劇で使う自動車(カトラスやチェロキーなど)の画像を調べたりしながら読みました。

さすが藤中さんが推すだけあって大変楽しめました。マキャモンの作品は出版順に読むことにします。

*R・ジェサップ_『摩天楼の身代金』

「リチャード・ジェサップ_摩天楼の身代金」を再読しました。
1994年以前に読了した作品。
ニューヨークの超高級マンション「セントシア・タワー」でメッセージがみつかる。
『貴社の警備体制を突破した。俺には突破が可能であり、これからも突破するつもりであることをここに通告する。これは第一回目だ。 -スレット(脅迫)』
セントシア・タワーの責任者らはスレットの正体を突止めようと徹底した調査を行うがことごとく空振りに終わる。彼らは身代金受け渡しの瞬間こそ犯人逮捕の最大のチャンスと目論むが…
藤中さんの「オリンピックの身代金」の記事をみて身代金つながりで思い出したので再読してみました。
初読のきっかけは以前記事にした「マイナス・ゼロ」を勧めてくれた友人の紹介でした。

上のあらすじには被害者側の視点だけ書きましたが、実際にはスレット側の視点と交互に描写されていきます。
スレットの脅迫は(当時の)ハイテクを駆使した緻密で大胆なやりかたです。ベトナム戦争で情報関係の任務にあたっていた彼は、常に冷静に、様々なことに気を配り、全ての知人を欺き、計画を遂行していきます。目的のためには殺人も躊躇しない冷徹さを持つ反面、意外と優しい面も持ち合わせています。

非情な手段は共感できるものではありませんが、こういうクライムノベルではどうしても犯罪者に肩入れしてハラハラしてしまいます。この緊張感が堪らないのです(笑) また被害者側の描写もなかなかで正体のつかめないスレットにヤキモキする様子が手に取るようです。

この作品の最大のポイントは「身代金受け渡しの手段」なのですが、これはさすがに忘れてはいなかったので今回は大きな衝撃はありませんでした。それに良く考えると、不確実な部分や危険な部分も多く、ちょっと陳腐にも感じられました。しかし出版当時(第一刷は1983年文春文庫)には斬新なアイデアだったのでしょうし、これから派生した作品も結構多いのかもしれません。

リンク
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
プロフィール

びぎR

Author:びぎR
読書、鑑賞日記です。
月1更新

最新記事
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ