筒井康隆_『恐怖』

『文化人の多く住む姥坂市で文化人をターゲットにした連続殺人事件が起きる。作家の村田勘市は最初の殺人事件の第一発見者となった。』
まるでホラー小説のようなタイトルと表紙ですが、ま、コメディでした。犯人はだれか?という疑心暗鬼、次は自分の番じゃないかという恐怖、がコメディタッチで描かれます。作者の文化人たち(自身を含めて)に対する皮肉が効いています。

スポンサーサイト



筒井康隆_『パプリカ』

『精神医学研究所に勤務する千葉敦子は同僚の時田浩作と共にノーベル賞を期待される精神病医である。ある日敦子は理事長の島からある人物の治療を依頼される。』
敦子がパプリカと名乗って患者の夢に入り込んで治療するのですが、そこに副理事長の陰謀や治療機器の副作用が絡んできます。精神医学SF風に始まる話は終盤なかなかのトンデモになっていきます。悪夢の内容が現実に出現するっていうのは場合によってはかなり恐ろしいです… 今敏監督によるアニメ映画も評判が良いので機会があったら見てみたいです。
     

竜田一人_『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1)』

福島第一原発の廃炉作業のドキュメンタリー漫画です。もし失業したら…との下心で読んでみました。(当然ですが)実態はそう甘いものではなく、著者も実際に働きだすまで8か月の歳月を費やしましたし、仕事の内容は過酷で安全対策など高度に複雑です。そして被ばく線量が基準を超えたら働けないという制約もあります。う~ん、かなり厳しい(^^;) しかし、長期的(40年以上?)に廃炉作業が必要というのは厳然たる事実ですし、未来のない(?)原子力産業に進む後継者がいるのか?という点も含めて課題はあまりにも多いと思いました。
     

筒井康隆_『日本以外全部沈没』

1962年~1976年に書かれた11篇からなるパニック短篇集です。時代を背景に政治、社会の狂気を皮肉った(あるいは賛美したw)作品が多くなっています。
・日本以外全部沈没
あの「日本沈没」のパロディで、世界のVIPが東京のクラブで繰り広げるドタバタ劇です。小林桂樹や豊川悦司に似た「田所博士」が出てくるのがキモですね~(笑)
・あるいは酒でいっぱいの海、黄金の家
この2作は政治、社会色のない純(?)SFです。両方ともとても短いのですが切れ味鋭く、私はこういうやつの方が好みです(^^) 
   

・収録作品
日本以外全部沈没
あるいは酒でいっぱいの海
ヒノマル酒場
パチンコ必勝原理
日本列島七曲り
新宿祭
農協月へ行く
人類の大不調和
アフリカの爆弾
黄金の家
ワイド仇討

高野文子_『おともだち』

TBSラジオ「タマフル」で作者の特集があったので一冊読んでみました。少女漫画に分類されるものなのでしょうが、ほぼ初めて覗く世界はノスタルジックな絵柄が特徴の独特のものでした。大正期の上流階級の少女たちが歌劇を披露するまでを描く「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」が印象的です。特に舞台のシーンは白黒なのに非常に臨場感があり圧巻です。「アメリカのおともだち」の方は各話ともコミカルでこれも楽しかったです。
     

恒川光太郎_『夜市』

「恒川光太郎_夜市」(A-)を読了しました。→読書リスト
大学生のいずみは友人の祐二に「夜市」に誘われる。
「夜市」では普通は手に入らないものが手に入るというが… 【夜市】

12歳の私は親友のカズキと一緒に小さい頃迷い込んだ不思議な道を探すことにした。
2人は首尾よくその道を見つけ出すが… 【風の古道】
藤中さんやめにいさんが絶賛するファンタジックなホラーということで、ずっと読みたいと思っていました。
なんやかんやで実に3年越しになってしまいましたが(^_^;) 表題作の「夜市」と「風の古道」の中編2編です。

2編とも日常世界に近いところにある異界を題材にしています。情景がすんなりと思い浮かぶ描写で実際にこれらの異界が存在してもおかしくない雰囲気です。「夜市」の方は夜なのでやはりちょっと特殊ですが、「古道」の方はそのへんを歩いていたら迷い込みそうな気さえします。

一つ目ゴリラやのっぺらぼうが出てきたりして、ホラーというよりはファンタジー調であまり怖くありません。
どっちも迷い込んでみたいと思わせる世界です。戻ってこられなくなってもいいかなと思ったりして(笑)

そんな独特な世界の中で物語は比較的淡々と進みます。しかし、「夜市」のある人物の正体には驚きましたし、「風の古道」のコモリとレンの関係にも唸りましたし、ひねりも効いています。こういう感じのひねりは好きですね~

薄い文庫本で分量は決して多くはないのですがとても読みやすく、あっという間に読み終わってしまいました。
2編とも似たような世界観なので、ちょっとワンパターンな気もしますが、それは他の作品を読んでから判断したいと思います。

表紙絵はこちら(Amazon.co.jp)

團伊玖磨_『さわやかパイプのけむり』

「團伊玖磨_さわやかパイプのけむり」を読了しました。→読書リスト
作曲家・團伊玖磨が「アサヒグラフ」に連載したエッセイ。
1964年から2000年までの36年間の長期にわたって連載。
身近な出来事から旅行・社会問題など多岐にわたって執筆。團伊玖磨の見識の深さが感じられ、多くのファンを獲得した。
しかし、「アサヒグラフ」の部数減少により、2000年の廃刊とともに終了。
團伊玖磨はすでにこの世にいないが、今も文庫本など愛読されてる人も少なくない。

はてなキーワード より引用
この「さわやかパイプのけむり」は23冊目で、1993/10/8~1995/3/17に掲載されたものです。
著者の團伊玖磨氏(1924-2001)は、日本を代表するクラシック音楽の作曲家で私も名前だけは知っていました。

雑誌に連載されたエッセイなので著者が日々感じたことが綴られていますが、全体的に毒舌の効いた社会批判が目立つものになっています。最初のうちは頑固な年寄りの説教臭い話かと思いましたが読み慣れてくると卓見とユーモアを含むなかなか楽しい読み物です。世間の流行には厳しい批判をする一方自分の趣味(美食、パイプや葉巻)への批判には激しく抵抗したり、孫の飛鳥ちゃんの事となるとすっかりジジ馬鹿ぶりを露呈したり、人間らしくて好感が持てる面も多くあります。

著者の音楽の仕事といってもピンと来ませんでしたがあの童謡の「ぞうさん」の作曲者だとの事です。
他にもオペラや交響曲など多くの作品を残しているようなのでCDを探してみようと思います。
今度は若いときに書いたもの(例えば私の生年のものとか)を読んでみるつもりです。

田宮俊作 『田宮模型の仕事』

読書リスト(3)に「田宮模型の仕事  田宮俊作」を追加しました。

日本を代表する模型メーカー「TAMIYA」。現社長がその黎明期からの逸話を語る。

「私のGT4日記!」の記事にも書きましたが、昔、私は模型少年だったので、世界の「TAMIYA」は非常に親しみのある会社です。

1960年に木製模型からプラスチックモデルに転向(意外と最近!)したことや、模型制作のための地道な取材の話などなど、模型を趣味としたことのある私にとっては非常に興味深い内容でした。特に昔よく作ったミリタリーミニチュアシリーズ(戦車)や、ウォーターラインシリーズ(軍艦)の話題は懐かしかったです。
リンク
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
プロフィール

びぎR

Author:びぎR
読書、鑑賞日記です。
月1更新

最新記事
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ