森青花_『BH85』

ちょっとスマッシュヒットなので久々に記事を書くことにしました。『柴迷宮』収録『ムラサキくん』の森青花氏の作品です。

「養毛剤を発端としたバイオハザード小説」なのですが、コミカルな出だしに反して思いがけず大げさになっていきます。究極の生き残り系(?)SFですが、生き残らないのも幸せかもと思わせる部分もあります。いい大人が電車の中で読むにはブックカバー必須な(笑)吾妻ひでお氏の表紙もいい感じです。こういう作風好きなので作者が寡作なのがつくづく残念です。

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道尾秀介_『片眼の猿』

『探偵の”俺”は企業の盗聴中に偶然殺人事件を聴いてしまう。』
”俺”やヒロイン(?)の特殊能力、周辺の変わった人たち、そして7年前に自殺した人物、などなど少々風変わりな設定に戸惑います。”俺”が特殊能力を活かした地道な調査と、支援者の協力で殺人事件の真相に迫る様子はなかなかです。。。が、なんと言っても根幹を揺るがす種明かしにはビックリしました。てっきり”俺”の○もヒロインの○も○○だと思っていました。いや、ヒロインの能力はおかしいとは思っていたんですよ(^^;) すっかり騙されて気持ちいいくらいです(笑)

道尾秀介_『シャドウ』

名前はよく聞く道尾秀介氏の作品を初めて読みました。主人公は小五の凰介君で同級生の亜紀ちゃんとの家族がらみの物語なのですが。。。 序盤のちょっと悲しいけど平穏な雰囲気がだんだん雲行きが怪しくなっていきます。「お父さんが両方ともダメなのか~」という絶望的な展開に。。。 意外な黒幕、動機、原因、などなどの種明かしはなかなか爽快でした。凰介君と亜紀ちゃんは小五にしては賢くて、健気で、しっかりしていて、「私は能天気で幸せな小学生だったな~」などと思いました(笑)
     

森村誠一_『山の屍』

『転落死した男が書き残した「小説」の中に事件の重大な秘密が…』
女性作家目線での展開は謎めいていて面白かったのですが、刑事目線の謎解きの段になると色あせた感じになってしまいました。ベストセラー級の小説を創作した男の実態は拍子抜けですし、すべてのキーとなる女の行動も行き当たりばったりでどうもいまいちです。途中までは面白かったのですがその謎を回収しそこなった感じです。
     

宮部みゆき_『おそろし 三島屋変調百物語事始』

『おちかは叔父の営む三島屋で女中として働いている。彼女が実家を出たのには一抹の事情があった。』
ほのぼのふしぎ系の短編集というイメージで手に取ったのですが思いのほか重い話でした。三島屋の主人が呼ぶ客のふしぎ話をおちがが聞くのですが、その内容は人間臭く時には凄惨ですらあります。おちか身の上もあいまって表紙の印象とはかなり違う感じです。私は作中のお福と同じく「亡者も浄土も人の心の中にある」と思っているので終盤のファンタジー風な展開には少々違和感を覚えました。
     

的川泰宣_『月をめざした二人の科学者―アポロとスプートニクの軌跡』

米ソそれぞれで宇宙開発を牽引したフォン・ブラウンとコロリョフの軌跡をたどり、共に第二次世界大戦中のドイツのV2をスタート地点とした開発競争がアポロ11号による月面着陸という頂点を迎えるまでを描きます。私は主にアポロ計画のことを知りたかったのですが技術的な解説は比較的少なく社会情勢に翻弄される科学者たちの様子が中心となっています。その点では私が意図した内容では無いのですが宇宙開発のおおまかな経緯を把握することは出来ました。他の資料をあたってアポロ計画のことを知りたいと思います。
      

村上春樹_『図書館奇譚』

「図書館で本を探そうとしたら酷い目に合う」という理不尽な不思議話です。少年目線というのは「海辺のカフカ」と同じでいかにも村上春樹って感じです。「酷い目」と書きましたが、おいしい食事付で、あれだけ夢中になって本を読めて、「脳みそチュルチュル」されても「残りの人生をぼんやりと、夢見ながら暮らす」、というのは(本気で)悪くないような気もします(笑) あとがきを読むと挿絵のために出版したような印象を持ってしまいます。まぁ実際そのようですが(笑)
     

三木聡・他_『時効警察』

先日見た同名ドラマのノベライズです。『内容はドラマのまんまなので特筆するようなことは何もないといっても過言ではないのだ!』←サブタイトルをもじってみました(^^;) ドラマの最大の特徴はぬるいギャグなのでドラマを見ずに本を読んでもほぼ無意味です。ドラマのファンが読んで思い出し笑いをするための本という感じで、私は十分楽しめました。熊本課長が第3話の監督脚本を勤めていたというのには驚きました。お気に入りは永作博美出演の第4話「犯人の575は崖の上」です。
      

村上春樹_海辺のカフカ

カフカと自称する家出少年と猫語を話せる初老のナカタさんの運命が交差する話、というとこでしょうか。ノーベル文学賞を取る前に一冊ぐらいは代表作を、ということで、ほぼ初村上春樹でしたが、なんとも不思議な話でした。カフカのパートは同じ年だった頃の自分の青さを見るようで読んでて恥ずかしくなりました。ナカタさんのパートは解放されるような感覚がありました。娯楽性は割と高いのですが、最終的には個人的な話に収束し、あまりスッキリせず、やはり「文学」って感じです。私はもう少しエンタメ性の高いものの方が好きですね~

三浦しをん_『まほろ駅前多田便利軒』

舞台のモデルが私の地元なのでほとんどの場面をイキイキと思い浮かべることができます。私の母校が二人の出身高校らしいし。。。 起こる事件自体は小説としては「ゆるい」部類に入るのでしょうが、馴染みのある場所で起こるせいか「えぇっ、あの場所でこんなことが!」など過激に感じたりしました。行天はかなり個性的ですが不思議と実在感があります。「俺はよく人を苛立たせるけど沈黙でうまく乗り切ってきたよ。」という言葉は名言のような気がしますが(笑)実際にやるとなると難しそうです。
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