J・ディーヴァー_『コフィン・ダンサー』

ライムものの第2弾です。ライムのチームの面々は前作から踏襲しているので物語りは序盤から動きます。なんと言っても「殺し屋」視点の描写が良いです。有能で非情そして狂っている…爆弾、狙撃、浸入、さまざまな手段で標的に迫る殺し屋とライムの知恵比べはとても読みがいがあります。その殺し屋が人間らしさの一端を見せるのですが…あまりのどんでん返しに何が起きているのかしばらく理解できませんでした。巻頭の「主な登場人物」にやや違和感はあったのですが(^^;) いやいや面白かったです。続編も読まねばっ!
     
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J・P・ホーガン_『内なる宇宙』

『ガニメアンたちは戦後のジェブレンの統治を任されたがうまくいかずジェブレン人と同じ人類の地球人に助けを求めた。』
「星を継ぐもの」シリーズの第四弾です。ハントなど登場人物は共通しますがかなり趣の違うものとなっています。舞台が架空の惑星ジェブレンで、しかもそのサイバースペースが大きな割合を占める、ということで身近さがありません。話としては鈴木光司のループに似ていますがこちらのほうが古いようです。地球の神話の起源をこの「内なる宇宙」に求めるというのはちょっと無理があるような気がしました。
     

J・P・ホーガン_『巨人たちの星』

「星を継ぐもの」のシリーズ第3作ですが、ガッツリハードSFの第1作、やや怪しくなってきた第2作に続いて、思いのほかのトンデモ展開でした。とは言っても、SF大作はときに宗教めいた思想的、抽象的な展開になることがあるのですがそういうのよりはずっと私の好みです。敵役(!)のキャラクターやその正体など突っ込みどころも多々ありますが全体としてはエンタメ性が高くとても楽しめました。
 

以下ネタバレあり感想(反転文字)
敵役として第三の勢力が登場しスペースオペラ的な話になります。スパイ戦、サイバー戦、宇宙艦隊戦などなどてんこ盛りです。人類の血塗られた歴史の影には…というのがなかなか面白いのですが、その割には敵が間抜けで時代劇のような勧善懲悪展開は笑えます。ただ、未来の理想的な方向として示される楽天的な科学万能主義は能天気すぎて私は賛同しかねます(^^;)

J・P・ホーガン_『ガニメデの優しい巨人』

『ノヴァと化したイスカリス星系を脱出したシャピアロン号が故郷に帰り着くとそこは2500万年後の世界だった。』
惑星ミネルヴァの元々の住人であるガニメアンが登場します。2500万年前に栄えた彼らが現代に現れたり超平和主義者であったりする理由が納得行く形で示されます。明かされる人類出自の秘密はやや新鮮さを欠きますが、本作のアイデアが各所で流用されたのかもしれません。少々不自然に感じたのはガニメアンが人間臭すぎること、迎える人類がとても寛容なことです。人類の未来について作者は楽観的ですね~
     

J・P・ホーガン_『星を継ぐもの』

『月面で発見された人間の死体は5万年前のものだった。』
難解なイメージがあって敬遠していたのですが全くの杞憂でした。舞台は現実の延長上の近未来なのですんなり頭に入ってきますし、科学的考証もさほど難しくありません。遺物の調査が主題で特別な事件は起こらないのですが、明かされていく真実にはワクワクさせられます。日記の日数の謎はなんとなくわかったのですが最後の人類の出自に関する推察はちょっと衝撃でした。そう言われれば筋が通っています… 続編も読まなければっ!
     

J・ディーヴァー_『ボーン・コレクター』

四肢麻痺の科学捜査官リンカーン・ライムと美貌の警察官アメリア・サックスの組み合わせがキモです。わがままなリンカーンと不運なアメリア、その関係はなんとも微妙であまりにも特殊です。この関係がシリーズ中でどう変化していくのか気になります。わずかな証拠から犯人の背景を探る展開はやや現実感は欠くもののタイムリミットも絡んだりしてスリリングです。そして意外にアクション要素もあって飽きさせません。サイコな犯人は異質で理解不能で魅力を感じません。さらにその正体と真の動機は唐突で強引に感じました。
     

J・ヴェルヌ_『八十日間世界一周』

何分古い本なので映画を見たから「参考までに」と読んだのですが思いのほか面白かったです。映画では役者の演技に任されていた人物の性格描写がしっかりしていて、パスパルトゥーがフォッグ氏に従う理由もわかる気がしますし、刑事のフィックスがフォッグ氏にこだわる理由もわかります。フォッグ氏も英国紳士の矜持をもって行動しているのがわかります。その素性は結局謎のままですが… ストーリーの大筋は映画と同じですが、ビジュアル的にインパクトのある気球や闘牛が映画オリジナルなのはちょっと意外でした。
 

この本は文字が小さくて読むのが大変で途中で老眼鏡を購入するきっかけになりました。今読んでいる本は字が大きいので老眼鏡をかけなくても読めます。やっぱり裸眼の方が楽です(^^;)

J・ル・カレ_『鏡の国の戦争』

東ドイツに新型ミサイル配備か? 英国軍情報部が入手した情報は恐るべき可能性を示していた。もし事実とすれば、英国がその最大の標的となりうる。情報部は秘密基地の空中撮影を決行するが、そのフィルムを受け取った潜行員が殺害され、計画は崩壊。かくて、元部員のライザーがミサイル確認のため、猛訓練を受け東ドイツに潜入する。行く手に裏切りが待つとも知らずに……。

裏表紙より
冷戦時代(大戦後約20年)が舞台ということでかなり時代を感じさせるスパイ小説です。スパイの連絡方法はモールス信号の無線だったりしますし。。。 軍事絡みの小説だと一連のトム・クランシ―もの(「レッドオクトーバーを追え」など)や「シャドー81」などの印象が強いのですが、これはずっと地味です。

小説全体の8割が訓練など潜入の準備に充てられていて映画の007ような展開を期待すると肩透かしをくってしまいます(笑) そして、潜入することになる元部員の動機が読み取れません。それなりに成功を収めた現在の生活を投げ打つ理由がどうもはっきりしないのです。ちょっとセンセーショナルな「新型ミサイル」もどうだったのか結局わからないし。。。

読み終わっても全体的にもやもやした感じです。作者の「寒い国から来たスパイ」はず~っと昔に読んだ記憶がありますが(内容は覚えていませんw)もう少し面白かった気がするんですが(^^;)

J・アッカーマン_『かぜの科学―もっとも身近な病の生態』

「ジェニファー・アッカーマン_かぜの科学―もっとも身近な病の生態」(B+)を読了しました。
病には数あれど、かぜほど厄介なものはない。これだけ長く研究されていながら、ワクチンひとつないなんて…練達のサイエンスライターが、かぜとは何なのか、かかったらどうしたらいいのか、多数の研究者に最新の知見を取材し、山とある俗信や市販薬の効果のほどを見定めつつ、自らの身を挺する罹患実験に参加までして、かぜを観察。あくまで科学の視点に立ちながら、読者の興味をそらさない絶妙の読みやすさをもって綴る、「かぜの生態学」。 

表紙裏の紹介文
TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で漫画家のしまおまほさんが紹介されていたので読んでみました。→http://www.tbsradio.jp/utamaru/2013/03/3112013323.html

私はいたって健康なので病気と言ったらかぜ位しか縁がありません。かぜさえひかなければ非常に快適な生活を送れるのでこの本の内容は役立ちそうです。かぜの基礎知識として私が(再)認識したのは以下の点でした。

・かぜの原因となるのは細菌ではなくウイルスである。ウイルスには殺菌剤や抗生物質は効かない。
・かぜのウイルスの人から人への感染は手を介して鼻、口へと行われる。「手洗い」「鼻、口を触らない」が感染予防には効果的である。
・子供が集まる学校や保育園がかぜの温床となっている。大人は子供からかぜをうつされることが多い。
・鼻詰まりの原因は鼻汁ではないのでいくら鼻をかんでも解消しない。

最近よく言われるようになったように手洗いが重要なようです。冷たい水での入念な手洗いはまだまだ辛いので、根性なしの私はお湯で洗うようにしています。手で鼻や口を触る頻度は高いかな~(^_^;)

著者は取材の一環としてかぜウイルスに感染し薬の効果を測定する実験の被験者となるボランティアに参加します。これはリスクはありますがそれなりの報酬もあるようなので、日本にもないか調べてみました。かぜというわけではありませんが、治験モニターの募集はweb上でも行われています。ただ、やせ気味の私にはBMIがぎりぎりアウトっぽいです(^_^;)

かぜへの効能をうたう色々な医薬品を非科学的と斬り捨てています。この話が本当だとすると医薬品メーカーの現状があまりにひどいのに唖然とします。アメリカだけの話なんだろうか?日本の一般的なかぜ薬も似たようなものなのか?と心配になります。また多くの民間療法についても科学的根拠は乏しいという結論です。ただ、著者がアメリカ人なので紹介される民間療法ががアメリカのものなのでちょっとピンと来ません。のどにネギ巻くとか卵酒なんかも効かないんですよね、きっと(^_^;) とは言え、「薬を飲んだから大丈夫」というプラシーボ効果もバカにはできないようです。信じる者は救われる?

この本の中で一番印象的だったのは次の一文です。

たまにはかぜをひくのも悪くないかもしれない

忙しい現代人、ゆっくり休むのもいいかもしれません。
もっとも私は普段からそんなに忙しくしてはいませんが(^_^;)

G・R・R・マーティン_『サンドキングズ』

「ジョージ・R・R・マーティン_サンドキングズ」(A-)を読了しました。→読書リスト
風変わりな異星生物を飼うのが趣味のサイモン・クレスが見つけた新たなペット、それがサンドキングズだった。指の爪ほどの大きさで、6本の手足と、3対の小さな眼。集合意識により一団となって城砦を築き、さらには城砦同士で戦争をするほどの知能がある。しかも飼い主を神として崇拝するというのだが…

サンドキングズ(Amazon,co.jpの説明文より)
以前読んだ「フィーヴァードリーム」はとてもよく出来た吸血鬼ものでした。同じ作者のSF短編集ですが、意外とファンタジー色の強いものでした。

・〈蛆の館〉にて
これはなかなかイメージがつかみにくい話でした。そもそも主人公を含む登場人物がどういう形態をしているのかさえはっきりしません。彼らは〈蛆の館〉と呼ばれるところに住んでいるので蛆のような形態なのかもしれませんが… その他にも「肉はこび」、「グラウン」などいろいろな種族がいるようです。タイトル通りじめっとした内容でした。

・サンドキングズ
これは以前テレビシリーズ「新アウターリミッツ」でドラマ版を見たことがあります。が、原作小説はドラマ版よりも数段凄まじい内容で面白さ3倍くらいでした。登場人物は全員人間なので話はわかりやすくB級テイスト満載の話です。ドラマ版にはないサンドキングズの成長形態はなかなかショッキングでした。

異世界が舞台だったり異種族が出てきたりする話が多く、その世界観や習性などのイメージをつかむまでに少々時間がかかります。やっとイメージをつかんだら終わってしまうというパターンも結構ありました。こういう作風だと短編よりも長編に向いているような気もします。気が向いたらファンタジーシリーズの「氷と炎の歌」を読んでみようと思います。

収録作品
・龍と十字架の道
・ビターブルーム
・〈蛆の館〉にて
・ファスト・フレンド
・ストーン・シティ
・スターレディ
・サンドキングズ

表紙絵はこちら(Amazon.co.jp)
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