畠中恵_『ぬしさまへ』

http://a248.e.akamai.net/f/248/37952/1h/image.shopping.yahoo.co.jp/i/j/7andy_31132745
「畠中恵_ぬしさまへ」(B+)を読了しました。→読書リスト
日本橋大店の若だんな・一太郎は、めっぽう身体が弱く、くしゃみひとつとしただけで布団にくるみ込まれてしまう始末で、放蕩なんてことは、夢のまた夢。そんな若だんなの身の回りを守っているのは、犬神・白沢・屏風のぞきといった摩訶不思議な連中たち。でも、店の手代に殺しの疑いをかけられたとなったら黙っちゃいられない。若だんなの音頭のもと、さっそく妖怪たち総出で調べに乗り出すのだが…。若だんなと妖怪たちが、難事件を次々解決!史上最弱だけど、最強の味方が憑いてる若だんなの名推理。

「BOOK」データベースより

長編の前作「しゃばけ」の続編ですが、こちらは6編から成る短編集です。病弱な若旦那が取り巻きの愉快な妖たちの協力で江戸に起きる不思議な事件を解決していく、というのが基本的なフォーマットです。

前作と同様、若旦那や手代たち、鳴家、屏風のぞき、などのキャラクターやその軽妙なやり取りは大変楽しく読めます。特に千年も人の世界で暮らしているのに未だに微妙な感覚のズレがある手代たちの言動にはくすりとさせられます。また千年の恋を持ち続ける仁吉はあまりにも純で好ましく思え、仁吉については若旦那を守る理由が少しわかりました。

反面、人の醜さがはっきりと浮かび上がる描写も目立ちます。「空のビードロ」のおりんや、「仁吉の思い人」の弥七など、救いようのない悪人が存在するのです。私は物語中の心弱い人物や悪人に共感する場合も多いのですが、ここで描かれる悪人はちょっとどぎつい感じがします。いい人キャラの松之助(若だんなの腹違いの兄)でさえ恐ろしいことに手を染める誘惑に駆られるところにはなかなかリアリティを感じます。

Web上では「さらっと読める」とか「ほのぼのとした」という感想が多いのですが、意外と重いテーマを扱ったものが多く、読むのに結構エネルギーが必要でした。



2009/9/29追記
OYAJIさんの記事(TB先)に画像の合法的な貼り方が記載してあるので参考にして追加しました。
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dynabook 不調(>_<)

先日デビューしたdynabookですが、 なんかとても調子が悪いのです。
8月21日に購入したのですが、これまでに2回もリカバリしました。

症状は「フリーズ」です。
パソコンテレビの動画の再生中に音と映像が止まり、マウスのポインタは動くが反応は全くなし、タスクマネージャーを立ち上げておいてもそれも止まっています。こうなると電源ボタン長押しで強制終了するしか思いつきません。しかし、再起動してもしばらくすると同じ症状が出てしまいます。

1回目はIE7→IE8に更新、VISTA SP2をインストールした直後に症状が出始めたのでその辺が原因だと思い、アンインストールしたのですが改善せず、リカバリに踏み切りました。その後はIE8もSP2も控えたのですが、1週間ほどで同じ症状が出るようになってしまいました。今度はセーフモードで起動してもフリーズする始末です。

2回目のリカバリをしてから1日くらいたちましたが、今のところは大丈夫です。パソコンの使い方は(安全そうな)web閲覧(パソコンテレビ観賞、ブログを含む)、ワード・エクセルの書類作成、画像管理くらいで以前のパソコン(Mebius)以上の仕事はさせていません。ハードの初期不良ということもあり得るので、メーカーに問い合わせ、必要なら修理を依頼しようと考えています。

せっかくの新品なのに大変です。でも、おかげでリカバリの手順にはずいぶん慣れました(^_^;)

SFマガジン 2008-4

『SFが読みたい! 2008年版』が選ぶ「ベストSF2007」上位作家競作
国内篇1位、2位の伊藤、円城の新作読切、海外篇1位のプリーストによる『双生児』執筆の驚異の舞台裏ほか、小説・エッセイ7篇を一挙掲載する。
[特集内容]
○「From the Nothing, with Love.」 伊藤計劃
○「戦争読書録」 クリストファー・プリースト
○「The History of the Decline and Fall of the Galactic Empire」 円城塔
○「南極点のピアピア動画」 野尻抱介
○「出血がとまるまで押さえてください」 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
○「流浪の民」 菅浩江

【連載】
《椎名誠のニュートラル・コーナー》「小便の王様をたずねる旅」 椎名誠
「小角(おづぬ)の城 第16回」 夢枕獏
「乱風楓葉 霊峰の門 第十三話」 谷甲州
SF Magazine Gallery 「SUBMARINE Early Monday Morning」 服部幸平

表紙イラスト:徒花スクモ
ハヤカワ・オンライン→http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/720804.html

SFマガジン 2008-4をパラ読みしました。
連載小説
《小角の城》夢枕獏 第16回
の掲載号です。

【読みきり小説】
「南極点のピアピア動画」は前後篇の前篇。
近未来を舞台に宇宙に憧れる学生の話。ネット文化やボーカロイドなどを取り入れた描写は正にすぐそこの話という感じがします。以前SFマガジン2006-4で読んだ「大風呂敷と蜘蛛の糸」と作風やテーマが似ているのですが、それも当然で同じ作者でした(笑) ちょっと好みなので野尻抱介氏の他の作品もチェックしておきます。

【連載小説】
「小角の城 第16回」
盗賊の仲間になった猿飛佐助が妙な術を使う男と出会う。

【そのほかの記事】
エッセイ「椎名誠のニュートラルコーナー」
極寒のロシア、オイミヤコンの訪問記。零下70度になると立ち小便がツララになるという話です。
ただし、そんな屋外で立ち小便をすること自体が命がけだそうで…(笑) 

【気になった本】
紹介されている本で気になったものをメモしておきます。
・ジャック・ヴァンス/《魔王子》シリーズ
・貴志祐介/新世界より
・能田達規/おまかせ! ピース電器店

*K・グリムウッド_『ディープ・ブルー』

「ケン・グリムウッド_ディープ・ブルー」(A)を再読しました。
1997/12/28に読了した作品。
幼いころイルカと不思議な接触をした3人が、フリージャーナリスト、イルカの生態研究者、
マグロ漁船船長、として海での事件に巻き込まれていく。

イルカたちは太古の昔から海で高度な社会生活を送っていた。
そんなイルカの一頭、ク*トリルは新たな任務のために北の海に向かう。
それは「陸を歩くもの」との交流を再開する計画の一部であった。
以前再読した「リプレイ」の作中映画「星の海(スターシー)」を小説化した海洋ファンタジーです。作者のケン・グリムウッド氏(2003年没)の邦訳されている作品は「リプレイ」と「ディープ・ブルー」の2冊しかありません。

おおざっぱに言うと、イルカを人類のパートナーと位置づけるファーストコンタクトものです。擬人化されたイルカの生態、そのコミュニケーション方法、イルカを含むクジラ目の立場と役割がなかなかユニークです。

フリージャーナリストのダニエルとイルカの生態研究者のシーラは協力してイルカとの意思の疎通を試みます。
イルカの犠牲の上に生計を立てていたマグロ漁船船長のアントニオは突然イルカを殺さないことを決意し…
その一方で海中ではイルカとシャチの対立があったりして…

イルカの能力をシーラたちが解明する過程や、アントニオが悩みながら改心(?)する様子、イルカやシャチの目的は?、など序盤から中盤にかけての物語が煮詰まっていく様はとても面白いのですが、終盤はちょっと急いだ感じになってしまいました。

せっかく科学的な方法でイルカの能力を突き止めたのにテレパシーで心が通じ合うという設定が安易です。
またイルカとヒトが協力して対処する危機が、意外と地域的でしょぼいですし、地上の動物の代表としてヒトを特別扱いする点も少々不自然に感じました。ヒトは果たして地上の動物を代表する資格があるのでしょうか?

最近の研究によるとクジラ目にこのような知性はないということははっきりしているようです。
そのへんのところを書いた本も(いつになるかわかりませんが)読んでみようと思います。
「村山司、笠松不二男_ここまでわかったイルカとクジラ」
「スティーヴン ウェッブ_広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由」

とは言え、この物語の結末は希望を感じさせ、イルカたちに知性があると信じたくなりました。

表紙絵はこちら (Amazon.co.jp)
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