栗本薫_『グイン・サーガ130 見知らぬ明日』


「栗本薫_グイン・サーガ130 見知らぬ明」(A-)を読了しました。→読書リスト

故栗本薫氏がライフワークと位置づけていた超長編小説の正伝。
ついに最後の出版になってしまいました。

大雑把に言うと
「剣と魔法の世界」に突如現れた豹頭人身の男「グイン」を中心に繰り広げられる戦国絵巻
といったところです。

最後の巻なので色々と思うところはあるのですが、面白さは却って加速しています。前々からこういう形で終わる予感はしていましたが今更ながら本当に残念です。人の何倍も濃い人生を送られたと思うのでご本人は満足されているとは思いますが… グイン・サーガ全般についてはのちほど改めて記事を書くつもりです。


書庫_「栗本薫」
WARNING! 以下ネタバレを含みます。注意!!
イシュトヴァーンの突然の訪問にバタバタしたクリスタルですが、そのイシュトがこれまたバタバタしているヤガにフロリー母子を探しにいくはずが… というところで驚愕の展開か!?でした。

図らずもヴァレリウスの危惧が的中した形になりますが、さすがにこのタイミングでとは思わなかったようです。
これはわれわれ読者も、もしかしたら作者自身も同じ思いなのではないでしょうか?この行動の狙いが単にリンダをさらうことなのか、それともわずか1000人の手勢でパロを征服しようとしているのかは今となってはわかりませんが、私はここはでっかく「パロ征服」に一票を投じておきたいと思います。

ヴァレリウスも驚いていましたがケイロニアの事情に明るかったり今回のイシュトヴァーンは一味違います。
これまではアリストートスやヤンダル・ゾッグによって悪の道に引きずり込まれていた感があったのですが今回はヤンダル・ゾッグやグラチウスは他で忙しいようでイシュトの言動からその影は感じられません。ここにきてやっと自力で悪の道を進み始めたようです(笑) 
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*広瀬正_『エロス─もう一つの過去』


「広瀬正_エロス─もう一つの過去」を再読しました。
1994年以前に読了した作品。
デビュー37年のベテラン歌手 橘百合子は“もしもあのとき”という雑誌のアンケートを受け思いを馳せる。―「もしも昭和9年9月20日、私が映画を見に行かなかったら…」
時間SF、近代の風俗、などに並々ならぬこだわりを持つ作者が描く歴史ifものと言ってもよいでしょうか。

物語は昭和9年から始まり戦争の足音が聞こえてくる時代なのですが、よくある歴史ifものとは趣が異なります。橘百合子(本名:赤井みつ子)と帝大生:片桐慎一を取り巻く比較的普通な生活が描かれます。「百合子が映画を見に行かなかった」世界がifの歴史として語られますが、決して派手なものじゃなく、彼らの生活を通して当時の風俗を丹念に描いていきます。この辺の描写へのこだわりは作者得意のもので実際には目にしたことがない私にも懐かしさを感じさせるものです。少年時代の作者自身も登場し、慎一に「これでは何一つ大成できないだろう」と思われるあたりは遊びっけたっぷりです。

再読にもかかわらずストーリーの大半を忘れていたので「SF的な展開はいつ出てくるんだろう?」と思って読んでいたのですが、最終章になってやっとその姿を現わします。ネタばれになるので書けませんが正に逆転の発想で、これをやるためにここまで書いたのかという感じです。まぁ、プチ○○ヲタの私としては「○○○○○があったからって○○自体の結果が変わるか?」というのは大いに疑問ではありますが(笑)

タイトルの「エロス」は作中に出てくる曲の題名で、エッチな意味は全くありません。今回私は主に電車の中で読んだのですがあえてブックカバーをつけませんでした。これはもしかして公共の場でのセクハラでしょうか?(笑)

関連記事
書庫「広瀬正」

ミステリマガジン 2009-12

《特集/メディカル・ミステリ処方箋》

〈短篇競作〉
「兼業作家同盟・海堂尊氏、医療小説について騙る」
――海堂尊
「慈悲の天使」
――ビル・プロンジーニ 山本やよい/訳
「ドクター・ジョー」
――チェト・ウィリアムスン 羽田詩津子/訳
「最後の一刀」
――カール・エドワード・ワグナー 中村 融/訳
「プロスパー・ベイン、〇五四〇九〇二一号」
――ビリー・スー・モジマン 高山真由美/訳
「取り出してくれ」
――トマス・F・モンテレオーニ 操上恭子/訳
「オフショア」
――F・ポール・ウィルスン 猪俣美江子/訳

〈漫画〉
「ムジナ診療所」
――腹肉ツヤ子

〈座談会連載/第5回〉
「翻訳ミステリ応援団!」
――田口俊樹×北上次郎 ゲスト●出版社営業

〈連載/日本人作家インタヴュー〉
迷宮解体新書=第24回
「飴村 行」
――インタヴュー&文:村上貴史

ハヤカワ・オンライン→http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/710912.html

ミステリマガジン 2009-12をパラ読みしました。
最近ミステリマガジンは読んでいないのですが、藤中さんの情報でF・ポール・ウィルスンの短編が載っているということで久しぶりに読んでみました。

・読みきり小説
「オフショア/F・ポール・ウィルスン」は沖合に停泊する病院船にまつわる話。「違法に医療資材を運ぶ男とそれを取り締まる男の対決」という感じで医療ミステリーというよりは海洋アクションに近いものでした。主人公は正義感の強いアウトローで、始末屋ジャックを彷彿とさせる快人物です。
その他「ドクター・ジョー」「取り出してくれ」「ムジナ診療所」は楽しめました。

・そのほかの記事
マニアックな記事が多くてけっこう読み飛ばしました。そのなかで出版社の営業を集めた座談会と飴村行氏のインタビューはなかなか面白かったです。飴村氏は変わり者(変態?)全開で作品を読むのにはちょっと勇気が必要だと思いました(笑)
ちなみに「殺人占い」はミザリーでした。なんかわかる気がする(笑)

首振りドラゴン

前に小耳にはさんでからちょっと気になっていた「首振りドラゴン」です。
簡単なペーパークラフトなのですが、あたかも首を振るようにみえるとのこと。

で、作ってみました。製作はごく簡単で印刷してしまえば10分ぐらいで出来ました。
はさみとカッターとセロテープがあればOKです。

が、頭が頭に見えない…
頭の部分の構造に工夫があって錯覚を起こさせるのですが普通に見ると違和感があるのです。
しかし、片目でみるとちゃんと頭らしく見えることを発見。本体を動かすと首を振るように見えます。
ちょっと感動です。デジカメで撮影してYouTubeにアップしました。



カメラは単眼なので動画にするとちゃんと首を振るように見えますね。
今回初めてYouTubeに動画をアップしたのですが、製作より撮影とアップの方がよほど手間がかかりました(笑)

首振りドラゴンの入手先はこちら→http://www.jclahr.com/science/Illusions/3d/paper_dragon.html

F・ポール・ウィルスン_『リボーン』




「F・ポール・ウィルスン_リボーン」(A-)を読了しました。→読書リスト
ジムはホラー作家。作品は売れないが、愛する妻キャロルの支えもあり頑張っている。そんなジムに事故死した地元の名士で遺伝学の世界的権威であるハンリー博士からの遺産相続の話が舞い込む。
財産もさることながら孤児として育ったジムは実の親の手がかりがつかめると喜んだが…
全6作からなる〈ザ・ナイトワールド・サイクル〉の4作目です。とは言え、ここまでの3作は独立した話として書かれたようで、この作品から関連付けられたのが実際なのでしょう。平たく言うと「ザ・キープ」で倒された魔人ラサロムの復活を描いています。

前半はジムを中心に話が展開しますが、どうやらこのジムがラサロムの生まれ変わりのような感じなのです。
しかし、不信心で小々暴力的ではありますが、基本的には善き心を持つ愛情豊かな好人物で到底「魔王」という柄じゃないのです。彼が幸運と悲運に翻弄されるさまはなかなかスリリングです。

で、中盤の事件でちょっと予想外の展開になります。後半からは超常現象も出し惜しみしないようになり、終盤は抑え気味ではありますがけっこうスプラッタです。ラサロムが「ザ・キープ」で使った技も見せてくれます。

ちょっと気になったのはジムの出生の秘密です。医学的描写が少々雑ですし、実験の成果を放棄してしまうというのはやはり不自然です。執筆当時は現実味のなかった技術が現在では可能性が出てきたので小説のギミックとして陳腐に思えてしまうのかもしれません。

ここまでの3作が単独で完結しているのと比較すると、この作品は「ナイトワールド」への序章にあたるのでここまで読んでも消化不良気味の感は否めません。2大勢力とキリスト教の関係は?魔人を守るヨナの正体は?ヴェユール(=グレーケン?)のやる気の無さは? ニッキーの果たす役割は?などなど多くの謎が残されています。続きに突入したい気持ちをグッと押さえ後の楽しみに取っておくことにしました(笑)

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