S・シン_『フェルマーの最終定理』

「サイモン・シン_フェルマーの最終定理」(A)を読了しました。→読書リスト




フェルマーの最終定理については聞いたことはあったのですがどういうものかは全く知りませんでした。TBSラジオの「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」のポッドキャストでお薦め本として紹介されていたので読んでみました。

ポッドキャストはこちら⇒http://www.tbsradio.jp/utamaru/2010/03/_featsdp.html




n=2の場合はお馴染みの三平方の定理(ピタゴラスの定理)です。このときの整数解はx=3  y=4 z=5など無数に存在し、これをピタゴラス数と呼びます。360年もの間数学者を悩ませた定理(証明する前は予想)とはどんなものだろうかと思っていましたが、それ自体は非常にシンプルで却って驚きました。たったこれだけのことでそんなに難しい話になるとは素人には想像できません。

数学の事を題材にした本ですが決して難しくはありません。本文中に数式はほとんど出てきませんし、取り扱っている内容は本当はとっても高度なのでしょうが、平易な文章で雰囲気が伝わるように書かれています。補遺では簡単な数学の説明がされていますが、こちらは中学~高校位の数学の知識があれば楽しく読める程度のものです。

ピタゴラスを代表する古典数学の発展、17世紀に生きた仕掛け人フェルマーの人となり、ワイルズ以前の挑戦者の苦闘の様子、など数学の歴史が生き生きと描写されます。一般に数学者というとお堅いイメージがありますが意外と人間臭い面もあります。その中でも、ピタゴラスが無理数の存在を主張する弟子を死刑にしたこと、ヴォルフスケールが失恋の痛手で自殺しようとしたがフェルマーの最終定理のおかげで思いとどまったこと、女性が差別されていた時代に女性数学者のソフィー・ジェルマンが男と偽って学校に潜り込んだこと、などが印象に残りました。

ワイルズの証明を理解できる人は数学者の中でもごくわずかだそうで、到底一般人に理解できるものではないようです。そのため証明そのものの記述は極々概念的なものにとどまっています。もっとも詳しく書かれてもわかりませんが(笑) この証明の中で重要な役割を果たしたのが「谷山・志村予想」です。その内容は「すべての楕円方程式はモジュラーである」という意味不明な(笑)ものですが、この予想の一部を証明することによって最終的にフェルマーの最終定理が証明されました。この予想はその名の通り谷山豊と志村五郎が提出したもので、日本人の貢献をちょっとうれしく思いました。本書を読むとこの他にも数多くの数学者の業績の上にワイルズの証明が成立したことがわかります。

20世紀の数学テクニックを駆使してやっと解決したこの問題をフェルマー自身が本当に証明していたかは大いに疑問です。フェルマーが残した定理はこの最終定理を含めて48あったそうですがその中には後に否定されたものもあるということですし(笑)

文中には多くの数学者の名前が出てきます。その中には公式や単位などで聞き覚えがある名前がたくさんありました。気になったので調べてみました。

・パスカル…圧力の単位、気圧を表すヘクトパスカルが気象情報でお馴染み。
・ユークリッド…幾何学のユークリッド空間、xyzの3軸で座標を表すやつ。
・オイラー…オイラーの等式、虚数絡みで出てきたやつ。
・ベルヌーイ…ベルヌーイの定理、流体力学で使う。
・ラグランジュ…ラグランジュ点、宇宙ステーション設置に適する宇宙で引力が釣り合う場所?
・フォン・ノイマン…現在のコンピュータの基本構造の考案者。
・チューリング…チューリングテスト、ある機械が知的かどうか判定するテスト。人工知能絡みで最近聞く。
・ガウス…磁力密度の単位、ピップエレキバンのやつ。
・フーリエ…フーリエの法則、熱伝導方程式。

ピタゴラス数をxとyが25以下の範囲で調べてみました。方法は自然数の二乗和の平方根をエクセルに計算させてその中から自然数を目視で探すという極めて原始的なものです。もしかしたら見逃しがあるかも(笑)




大変面白かったです。適度に知的好奇心を満たしてくれますし、さほど難解ではありません。
サイモン・シン氏の著作はこれからも読もうと思います。

表紙絵はこちら
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私とグイン・サーガ

昨日5月26日は栗本薫氏の一周忌でした。この機会に私とグイン・サーガの関わりについて書き記しておきます。

最初の出会いは1981年ごろです。私は当時、ボードのシミュレーションゲーム(ウォーゲーム)で遊んでいました。その専門誌「TACTICS」でグイン・サーガを扱ったゲームを紹介していたのです。私はやったことはありませんがそのゲームはノスフェラスの戦いがテーマだったようです。その後はSFやミステリーの作家として栗本薫は認識していましたが特別な思いは持たずに長い年月が過ぎたのです。

再会したのは20年の月日が過ぎた2001年、某中古書店で大量に並んだグイン・サーガを見て「そういえばこういうのあったなぁ。これを読み始めれば当分読む本に困らずに済むなぁ。一冊100円だし~。」と「第1巻 豹頭の仮面」を手に取ったのでした。

その後は一冊グイン・サーガを読んだら一冊他の本を読むというペースで読み進めていきました。外伝は最初のうち文字通り外伝だと思って読んでいなかったのですが、北方紀行やキタイ編などは本編に深く関わるということがわかり、途中から読み始めました。そのため出版順と読んだ順番はちょっとバラバラになってしまいました。

そんなペースで読み進めて出版に追いついたのは2004年4月「第94巻 永遠への飛翔」でした。当時仕事の都合で新宿でホテル暮らしをしていたのを思い出します。追いついてしまうとそれまで月に何冊か読んでいたのが2カ月も待つというのはなかなかじれったく感じるようになりました。

大きな転換点はブログです。2005年4月からゲームのブログをやっていたのですが、そこでちょっとグイン・サーガに触れたところ、タンポポさんにコメントをいただいたのです。それがきっかけでそのブログで読書記録を記事にするようになり、その後独立させて現在に至っています。今ブログでお付き合いさせていただいている方の多くはタンポポさん絡み(=グイン絡み)なのです。当のタンポポさんは更新を中止して長く経ってしまっていますが…

志半ばにして終了してしまった本編ですが、今後の展開を予想(妄想)してみました。

当面の問題はヤンダル・ゾッグの中原侵略です。いまのところグインはケイロニアのことで手が離せない状態ですが、のちのち出てきてイシュトなんかともひと悶着あったりなんだりしても結局はヤンダルを無事撃退することでしょう。その後、一気にキタイに突入しグインvsヤンダルの最終決戦! 暗殺教団や青鱶団などの協力で辛くも勝利。そしてキタイにあるヤンダルの宇宙船で自分の出自を知ったグインは豹頭王の花嫁の正体を知り迎えに行くがそこに立ちふさがるのはマリウス(笑) マリウスの妨害を退けたグインは無事花嫁を迎え大団円。グインと花嫁は故郷へ帰っていく。そして物語は第二世代へ…

ってとこでいかがでしょう(笑)

アニメと同時進行で原作を読み返していたのですが、アニメ終了後も引き続き再読しています。現在は「第21巻 黒曜宮の陰謀」を読んでいるところです。ケイロニア編の佳境ですし、アリもイシュトとすでに出会っています。
今後の展開がわかっていても、中途半端に終わってしまうことを知っていても、十分に面白いです。


FireGestures

パソコンが調子悪い時は不安だったのでブラウザはIEを使っていたのですが、修理に出して治ってからは再びファイアフォックスに切り替えました。IEは8になってからは少しは使いやすくなりましたがアドオンでカスタマイズできるファイアフォックスにはまだまだ敵いません。

前にも私が便利だと思うアドオンを紹介したのですが、今回はFireGesturesを紹介します。
https://addons.mozilla.jp/firefox/details/6366



FireGesturesとは

「カスタマイズ性の高いマウスジェスチャ拡張機能。5種類のジェスチャによって様々なブラウザ機能やユーザスクリプトを実行することができます。」

ということで、マウスの右ボタンを押した状態で特定の動きをするとブラウザを操作できます。

ジェスチャを覚えるのが少々面倒ですが、覚えてしまえば非常に快適に操作できます。
よく使う操作には簡単なジェスチャを割り当てるなどのカスタマイズも可能です。

私がよく使うのは

・戻る
・進む
・更新
・タブを閉じる
・他のタブをすべて閉じる
・リンクを新しいタブで開く (背面のタブ)
・リンクを新しいタブで開く (前面のタブ)

などです。いちいちボタンまでカーソルを移動したり、プルダウンメニューから選択したりしなくて済みます。

ニュートン2010-3 脳

【NEWTON SPECIAL】
最先端の研究者がいどむ脳のなぞ
脳研究の今
鍋倉淳一/松崎政紀/河西春郎/銅谷賢治/入來篤史/定藤規弘/神谷之康/下條信輔
研究者は脳の何を解き明かそうと,どんな研究を行っているのか?
脳研究は,どこまで脳のなぞにせまったのか?
リアルな脳研究の“今”をお届けしよう。

・赤外線が見せるかくされた宇宙
スピッツァー宇宙望遠鏡による最新画像
協力 今西昌俊 画像 NASA

・生命を宿す惑星の条件
惑星科学が予測する第二の地球の姿とは?
協力 倉本 圭

・極北の空の王 ハクトウワシ
生態系の頂点に君臨する北米の巨大な猛禽類
写真・文 前川貴行

・進化する文房具
消せるボールペン,雑誌の印刷を消す消しゴム,香る芯……。
協力 小石眞純

・オーロラ 天上を舞う光のカーテン
アラスカの夜空をいろどる大気の輝き
写真 柳木昭信 協力 塩川和夫

・シマウマの模様はなぜできる?
「生物の模様」と「数学」の意外な関係
協力 近藤 滋

・学問の歩きオロジー
日本の気球事始め(5)
―上野公園での気球飛行
水谷 仁

【広告】
骨で聞くラジオ/日本ガイシ

科学雑誌「Newton」バックナンバー →http://www.newtonpress.co.jp/science/newton/index2.html

ニュートン2010-3を読みました。

【特集 脳】
ヒトのあらゆる臓器の中でも脳というのは特別な意味合いを持っています。意識が存在する場所として「脳=自分自身」とも捉えられます。近年チャネルロドプシン、fMRIなど脳を研究する手法が開発されていろいろなことがわかってきました。もちろん医療などには役立つのでしょうが、ヒトの存在自体を解き明かすようでちょっと怖い気もします。

脳の働きは脳神経間の電気信号のやりとりに過ぎないことは知っていました。しかし「記憶は神経回路のつながり方で物理的に構成されている」というのはちょっと驚きです。よく使うことは神経回路のつながり方が強化されて忘れにくくなるとのこと。人間らしさの象徴とされる感情ももしかしたら神経回路の物理的な構造で発生しているのかもしれませんね。

サルに道具の使い方を訓練する実験では脳の一部に劇的な変化があったということです。こうなると「ヒトならではの知性なんてものは存在するのか?」という宗教的な話になってきそうです。私自身はヒトというのは必要以上に知能が発達した動物界の異端児と考えていますが…

fMRIで脳活動を読みとり見ている画像を再現する技術が出来ています。しかし、見てから脳の血流が変化するまで4秒のタイムラグが発生するとのことです。SFマガジンに載っていた山本弘氏の短編「7パーセントのテンムー」のアイデアはこの辺から来たのかもしれません。


【生命を宿す惑星の条件】
地球の環境は非常に絶妙なバランスの上に成り立っているようです。 太陽からの距離や、外惑星の構成などなど、いろんな条件があって面白いです。生物がいるからってその惑星が偉いわけじゃないけど(笑)

【進化する文房具】
私も昔は文房具が好きで街中で時間をつぶすのは本屋か文房具屋でした。最近はパソコンばかりでほとんど頓着しませんが…

【骨で聞くラジオ/日本ガイシ】
毎号巻頭で面白い実験を紹介している広告コーナーです。今回のは昔懐かしいマブチモーターを用意すれば手軽にできるのでやってみようかと思います。
http://www.ngk.co.jp/site/no151/content.htm

2010年4月の鑑賞メーター

ここ最近ギャオで映画を見ることが多くなったので読書メーターの姉妹サイトの鑑賞メーターを始めました。
今年の分から記録し、ぬる~く感想も記入しています。

私の鑑賞メーター ⇒ http://video.akahoshitakuya.com/u/30130



2010年4月の鑑賞メーター
観た本数:2本
観た時間:206分

■ダイヤルMを廻せ! 特別版 [DVD]
犯罪だけを扱った本格ミステリー。人間関係などのドラマ部分はすっぱり切り捨て…却って心地よい。鍵のトリックがメインだが、現在の日本の感覚だと鍵を取り違えるということに違和感がある。キーホルダーをつけたりするのが普通なのでこんなことはあり得ない感じがする。
鑑賞日:04月08日 監督:アルフレッド・ヒッチコック
http://video.akahoshitakuya.com/v/B000V97J0Y

■マッドマックス2 [DVD]
北斗の拳のような(こちらがオリジナル?)世界観。ぶっ飛んだ設定だけどキャラクターが個性的で楽しめた。主人公のマックスがちょっと地味。
鑑賞日:04月27日 監督:ジョージ・ミラー
http://video.akahoshitakuya.com/v/B00005HC5Z

*広瀬正_『ツィス』

「広瀬正_ツィス」を再読しました。
1994年以前に読了した作品。
発端は神奈川県C市。精神科医の秋葉はのり子から極々小さいツィス音(557Hz)が聴こえると相談を受ける。普通の人には聞こえないような小さい音であったが来日していた著名なバイオリニストが演奏を突如中止したり、徐々に社会に影響を及ぼすようになる。

「マイナス・ゼロ」を最初に読んだころ(20年くらい前)に読んだのですが面白かった印象は残っているものの、結末がどうなっているのかすっかり忘れていました。

学生時代に音楽をちょっとかじっていたので音絡みってことでまず興味をそそられます。作者の広瀬正氏はジャズ奏者という面も持っているのでその辺の描写も良い感じです。音楽家が常人より音に敏感で真っ先に影響を受けるという点もそれらしいです。もっとも私自身はあまり耳がよくないので実際にツィス音が聴こえ始めたとしても後の方になりそうですが(笑)

ツィス音に対する調査や対策を講じる様子がウルトラマンなどの特撮テレビシリーズのような雰囲気で好みです。ま、相手は怪獣じゃなくて(直接的には)無害な音ですが。また発端となる神奈川県C市(茅ヶ崎市?)が身近な場所なのもちょっとニヤリとするポイントでした。

ツィス音は徐々に日常生活に支障が出るほど大きくなりその影響は東京にもおよび、都民の集団疎開という事態に発展します。この疎開の描写が妙にリアルで、こだわりを感じました。実際に何か危機が発生し都民の疎開が必要になった時にはこのやり方は参考になるかもしれません(笑)

で、問題の結末ですが、これはさすがに「いくらなんでも」って感じがしました。この結末では説明しきれないような事も結構あった気がします。この説を提唱している人物もなんか怪しいし… もっとも何が正解なのか明快には示していないので一種のリドル・ストーリーなのかもしれません。

ツィス音ってどういう音なのか聞きたかったので何か方法がないか探してみました。
可聴周波数域チェッカ→http://masudayoshihiro.jp/software/mamimi.php
こういう用途のソフトじゃないけど(笑)近い音を聞くことは出来ました。

表紙絵はこちら

近況報告

しばらくブログを完全放置状態だったのでその間の状況を報告させていただきます。

ちょっと体調を崩していました(>_<) 熱もなく体はさほど辛くないのですが、声が出ない、喉が痛い、夜咳き込んで眠れない、という状態がしばらく続きました。顔色が悪く痩せ過ぎで不健康そうな外見の割に意外と丈夫な私ですが、こんなに声が出なくなったのは初めてでした。

そんな状態ですがゴールデンウィーク期間中は全て仕事でした。この時期は人手が足りないので休むわけにはいきません。なので仕事は極力手抜きをして体力を温存しつつなんとか乗り切りました(笑)  今はずいぶん良くなりましたがまだ完治したとは言えません。

というわけで、ブログの方は更新はおろか、訪問も中止していました。読み終わって記事にしていない本もあるので追々記事にします。皆さんのブログへの訪問、コメントも少しずつ再開しようと思っています。

・アパートの保全工事
アパートの塗装&保全工事が4月中に行われました。今までは趣味の悪い青色だったのが上品なベージュになってしまいちょっとがっかりです(笑) 築年数が結構経っている建物なので「取り壊し→立ち退き」を密かに恐れていたのですがその心配はなくなったようです(^_^)

・免許の書き換え
久々の休みの今日運転免許の書き換えに行ってきました。前回から一回も運転していないので当然ゴールドです(笑) 今後も運転することはなさそうなので更新費用をケチって失効させようかと一瞬思いましたが、やっぱりもったいないので更新しておきました。運転する必要に迫られたら教習所でペーパードライバー講習を受けなければ(^_^;)
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