貫井徳郎_『愚行録』

ええ、はい。あの事件のことでしょ?―幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。深夜、家に忍び込んだ何者かによって、一家四人が惨殺された。隣人、友人らが語る数多のエピソードを通して浮かび上がる、「事件」と「被害者」。理想の家族に見えた彼らは、一体なぜ殺されたのか。

裏表紙より
タイトル通り被害者と周辺の人々の愚行の記録です。インタビューの記録と意味不明なモノローグの繰り返しで構成されています。愚行とは言っても必ずしも悪行とは言えないレベルのもので私たちも日常生活で無意識に、あるいは意識的にやっているようなものです。もっとも被害者のように上流階級(?)でも野心家でもない私にはぼんやりと「違う世界の話」としか受け取れませんでしたが。。。

殺人事件が題材なのにもかかわらず終盤になってもさっぱり事件の全貌が明らかになりません。「あれっ、もう残りページないぞ」というところで明かされる真実はちょっと意外なものです。これをやるためにインタビューの記録が延々と繰り返されたんだ。。。と納得です。インタビューに答えること自体が愚行であり、そして結果的に文字通り愚行であったということでしょうか。
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小川一水_『天涯の砦』

地球と月を中継する軌道ステーション“望天”で起こった破滅的な大事故。虚空へと吹き飛ばされた残骸と月往還船“わかたけ”からなる構造体は、真空に晒された無数の死体とともに漂流を開始する。

裏表紙より
SFマガジン掲載の短編を読んでそのハードSF調を気に入っていた作家の作品をやっと読みました。

近未来を舞台にしたハードSF描写は期待通りの出来でそれっぽい描写はなかなかです。やや楽天的にも思える宇宙開発の様子はかなりリアルです。過酷な宇宙空間でのサバイバルはスリリングで、真空なのは当然として、無重力、無音、などのさまざまな条件が意外な影響を及ぼします。

反面、展開にはトンデモ要素はほとんどなく、想定の範囲を脱しきれません。特に結末の優しさにはちょっと脱力しました。意地悪な私はもうちょっとバッドな結末を期待していました(笑) 登場人物は自信喪失気味なヒーローとヒロイン、頼りになる大人、頭でっかちで生意気な少年、無力な子供、正体不明の敵、などが配置されていますが、類型的なものから脱しようとして脱し切れてない感じです。

一言でいうと良くも悪くも期待通りでした。SF要素は現存技術の延長を想定したもので(これはこれで好きですが)、物語も現代社会の延長(それなりにスリリングですが)です。軽くもうひとひねりあると私の好みにドンピシャなんですけどね~(笑) 小川一水氏の作品には「天冥の標」シリーズやSFマガジン2010-2掲載の「アリスマ王の愛した魔物」など、異なった作風のものもあるようなので引き続きチェックしようと思います。

2014年5月の鑑賞メーター

観たビデオの数:1本
観た鑑賞時間:93分
びぎRの鑑賞メーター⇒http://video.akahoshitakuya.com/u/30130

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Ys5QQjADL._SL75_.jpgとなりの関くん 上巻 [DVD]
GyaO!で全21話鑑賞。 関くんが授業中に興じる一人遊びにとなりの横井さんが一喜一憂するギャグアニメ。ほとんど横井さんの独り言で進行する。関くんの遊びのクオリティの高さもさることながらいつの間にか夢中になってしまう横井さんが可愛い。エンディングで恥ずかしがる横井さん萌え(笑)→第一話(YouTube公式)
鑑賞日:05月26日 監督:ムトウユージ
 
先月はちょっとバタバタしてて映画を見る余裕がなかったので鑑賞メーターは1作品だけになってしまいました。最近は落ち着いてきたので本を読んだり映画を見たりできそうです。
 
その他、見ている途中のシリーズもの
「内村さまぁ~ず」 「ウルトラマン」 
「スラムダンク」  「蟲師 続章」  「ルパン三世 2nd series」
「人造人間キカイダー THE ANIMATION」
NHK高校講座 「地学基礎」 「政治・経済」

鑑賞メーター

R・ブラッドベリ_『火星年代記』

SFの古典として有名な作品です。勝手にハードSFだと思っていたのですが、実際にはシュールな寓話でした。火星は未知の領域の象徴として扱われています。火星という舞台とSF的仕掛けで展開されるのは(当時の)現代文明に対する批判・風刺です。

序盤の探検隊と火星人のファーストコンタクトのあたりでは精神面を重視する火星人の地球人に対する対応がなかなか面白いです。滅び行く火星人たちの運命はあの有名作を思い出します。火星を席巻した地球人たちは地球で行ってきたことを繰り返しますが、この辺は現代文明への批評・風刺の色が強い感じです。地球で核戦争が勃発したことで地球人はほとんど地球に帰ってしまい火星は過疎化してしまうのですが、ここがちょっと不自然です。私ならそんな地球には間違えても帰りません。過疎化した火星を描写する部分は非常にシュールでほとんど意味不明な章もあります。終盤、序盤の人物が再登場したり、新たな一歩を踏み出す人々がいたり全体としての物語のつながりが出てきます。この辺は人類の未来を信じる(信じたい)作者の気持ちが表れているように感じました。
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